円安が止まらない。
11日の円相場は、一時1ドル = 153円を突破した。
約34年ぶりの円安の影響はどこまで広がるのだろうか。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長とお伝えする。
2024年1月、年明けは1ドル = 142円台だったが、どんどん円安が進んだ。
2月ごろには150円台に入り、3月19日に「マイナス金利」の解除が決定し、円高に振れてくるのではないかという見方があったが円安が進み、きょう(11日)を迎えている。
ーー 円安はいつまで続く?
日米の金利差を背景にしているため、まだまだ円安が続く可能性がある。
アメリカは金利が高くなりすぎている部分があり、日本は低金利が続いている中で、アメリカでは、高くなりすぎた金利を下げる「利下げ」を目指していた。
しかし今回、高い物価の数字が出たことで、物価上昇を抑えるために、この先も当面高い水準の金利を続け、お金を借りにくくしていかなければいけない。
つまり、早めに金利を引き下げるのは難しいのではないかという見方が強まった。
一方、日本では、日銀がマイナス金利政策を解除して、金利を上げていく「利上げ」に徐々に踏み切っていくが、当面は緩和的な環境を続けるということで、この先、金利の引き上げは「急がない」という方針を示している。
金利を下げたいアメリカは下げられず、金利を上げたいはずだった日本は上げられない、上がらないということになっている。
ーー 今後、為替介入はある?
この先の円相場の動きが、急かどうかがポイントになりそう。
鈴木財務相が11日朝、「152・153円という数字だけでなく、行き過ぎた動きに対しては適切に対応したい」と発言していて、ある特定の為替の水準だけではなく、今後、円安がどのくらい行き過ぎた動きを見せるかを見ていくと言っている。
前回、2022年9月と10月に介入が行われたが、この時のドル円相場の予想変動率を見ると、9月が17%、10月が19.5%。
今回4月、きょう11日までの数字を見ると10.6%のため、変動率がそれほど大きくない。
ーー ということは、為替介入はなさそう?
そこはまだわからない。
「覆面介入」という方法もあり、介入を明らかにせず介入する方法もある。
これは比較的効果的とみられている。
効果を最大限に引き出すのはどこか、どういうタイミングがいいかを狙いながら、慎重にタイミングを判断していくことが、政府・日銀が狙っていることだと考えられる。
「介入する」と発表し、その規模が小さければマイナス金利解除と同じように逆効果も考えられる。
いかにタイミングよく、効果的に出せるのはどこか、どのタイミングかを狙いながら、覆面介入の可能性も見つつ判断していくのではないだろうか。