3年前、静岡県熱海市で発生した大規模な土砂災害。悲劇を繰り返さないために福島県は巡視活動の強化に乗り出した。対象は1万カ所、5年間で全てを確認する計画だ。

福島テレビ・氏家彦斗記者:「こちらの区域では土石流の発生などが警戒されています。こうした場所への不法なゴミの投棄や盛土は、被害を更に拡大させる危険性があります。そのため巡視員の研修会が行われています」

4月9日雨が降る中、郡山市熱海町での研修会に参加したのは、福島県が2024年度から始めた「砂防巡視員」。土石流や地滑りなど災害の発生が懸念される区域に異常がないか監視する役割を担う。
福島県砂防課・大竹昭仁主幹は「大雨が発生した際に、熱海のような形で土石流となって下流の方に被害が生じる恐れがありますので、そういったところを防止する」と話す。

福島県はこれまで、土砂災害の被害を軽減させるハード対策を点検する際に、周囲に違法な盛土やゴミの投棄がないかなどを確認していた。しかし、この方法では県内で確認が必要なエリア約1万カ所全てをカーバーすることは難しい状況だった。

一方、2024年度からはこの「砂防巡視員」が近隣住民への聞き取り調査なども行いながら、5年かけて対象エリアの全てを確認する計画だ。
福島県砂防課・大竹主幹は「しっかりと法の指定の区域内を監視しまして、違法な行為を防止するような形で進めていきたいと考えております」と話す。
福島県は来年度以降、砂防巡視員を増員しさらなる体制強化も検討している。

福島テレビ
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