去年4月に、自転車のヘルメット着用が「努力義務化」されてから1年が経った。県内はヘルメットの着用率が全国的に見ても低く、「カッコ悪い・買うと高い」そんなイメージを覆そうという取り組みが始まっている。

4月6日から全国一斉に始まった「春の交通安全運動」。その重点項目の一つが、自転車のヘルメット着用。
しかし去年7月に警察庁が初めて実施した着用率の全国調査によると、全国平均の13.5%に対し、県内は8.9%と大きく下回っている(全国26位)。

そして県警が去年10月に山形市や酒田市など県内5つの市で独自に調査したところ、全体の着用率が5.7%と、全国調査よりもさらに低い結果となった。

(県警察本部 交通企画課 重大交通事故対策室・守谷美雪室長)
「ヘルメットをかぶる・かぶらないでは、ヘルメットをかぶらない人が約2.4倍、頭部に致命傷を負っている。かぶっていないと命を落とす危険性が非常に高い」

県内でも特に着用率が低く、課題となっているのが高校生。過去5年間の自転車事故をみてみると、ヘルメットをかぶっていた高校生はわずか2%。
かぶらない理由を高校生に聞いてみると…。

(高校生)
「持ち歩くのもだるいし、髪形も崩れる」
「ちょっとダサい」
「みんなかぶらないから、自分だけかぶるのは恥ずかしい」
「ヘルメットをかぶると格好悪い、髪型が崩れる」

このような意見がほとんどを占めた。

(県警察本部 交通企画課 重大交通事故対策室・守谷美雪室長)
「私も高校生のころならそう思う。髪型も気になるし、なんとなく格好悪いなと思うかもしれないが、今いろんなヘルメットがあるので、自分に合うものを見つけてかぶってほしい」

(イオンバイク天童・廣岡昌樹店長)
「スポーツタイプのほか、日よけになるつば付き、外側に布地をつけた帽子に見えるタイプのヘルメットも人気」

天童市の自転車販売店でも、デザインや機能性などさまざまなヘルメットを用意して高校生の要望に応えようとしている。
1年前の努力義務化以降、ヘルメットを購入する人は着実に増えているが、高校生の割合はまだまだ低いという。

(イオンバイク天童・廣岡昌樹店長)
「努力義務化以降、幅広い年齢の方がヘルメットを購入している。やはり高校生の全体数に比べると、まだまだ高校生の購入数は少ない。いざという時のヘルメットなので、早めに用意して安心安全に自転車に乗ってほしい」

県も高校生のヘルメットの着用率を上げようと、4月から「高校生へのヘルメット購入補助」を始めた。対象は、学校で自転車通学許可を受けている高校生。
県内の対象店舗で購入する際に申請書を提示すると、「2000円引き」で買うことができる。

(県警察本部 交通企画課 重大交通事故対策室・守谷美雪室長)
「突然車が出てきたり、道路に段差があったり、想定外で事故は起きる。ヘルメットを着用して命を守ることを心がけてほしい」

命を守る最後の砦がヘルメット。県警は、今後も啓発運動を通して着用率アップにつなげていきたいとしている。

さくらんぼテレビ
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