4月1週目の週末、新宿・歌舞伎町のいわゆる“トー横”周辺で、警視庁による一斉補導が行われた。

FNNが現地を連日取材すると、一斉補導が行われても集まってくる若者の姿が。
トー横が抱える問題が浮かび上がってきた。

夜の新宿・歌舞伎町に響き渡った叫び声。
声の主は、10代とみられる少女。
そして、捜査員をけるなどして抵抗する少女。

この週末、いわゆるトー横で行われた一斉補導の様子。

FNNは、こうした取り締まりが行われてもなお、少年・少女がこの場所に居続ける理由を探った。

春休み最後の土曜日となった6日、トー横周辺では、警視庁の捜査員が若者たちに声をかけて回っていた。

目的は、未成年者を性犯罪や危険な薬物などから守るため。

店の前で、捜査員に声をかけられた少女。
その手には、ストローを挿したストロング系酎ハイらしき、缶飲料が握られていた。

捜査員が身分証を確認しようとすると、身分証の提示を拒むかのように背を向ける少女。
しかし、観念したかのように交番へと向かった。

一方、3人でいた別の少女たちは、補導から逃れるため、必死の様子。

捜査員の制止を振り切るように、飲食店内に入っていった。

また、女性の捜査員に両脇を抱えられた少女は、驚きの行動に出た。

捜査員の体をけり、その場に座り込んだ少女。
少女はわめき散らしながら、交番へと連れていかれた。

この春休み、トー横周辺で一斉補導された未成年者は31人。
中には、新たに小学6年となる女子児童(11)も含まれていた。

この一斉補導で、トー横キッズに変化は生じたのか。

「イット!」のカメラは、7日に再びトー横周辺へ。

7日、トー横にいた若者の多くは、前日に一斉補導があったことを知っていた。

15歳「親とけんかして、わたし邪魔って言われたの。じゃあわたし死ねばいいんだって言って家出てきた。いつからとかはないけど、けんかしたとき、だいたいいる。(居心地がいい?)はい。気持ちいい」

警視庁によると、トー横周辺での補導件数は、2020年が年間約70件だった。

その数は年々増加し、2022年は約580件、2023年は約950件にものぼった。

歌舞伎町の現状にくわしい、ライターの佐々木チワワさんは、“トー横初期”といわれた2018年ごろに比べ、現在は10代前半の姿が圧倒的に多いと分析。

佐々木チワワさん「結局、補導されても児相だったり、親元に帰されるというところで、自分が行きたくない場所に戻される感覚の子が多い。(自宅や学校などではない)サードプレイスとしてのトー横がある。どちらにしろ、ただ補導して、街に来させないだけというのは根本的な解決にはならない」

フジテレビ
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社会部
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