プレスリリース配信元:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
新入社員が身につけたい、先輩・上司が新入社員に直してほしいマナーTOPはどちらも「挨拶」「言葉遣い」新入社員のマナーを指摘・指導することに難しさを感じている先輩・上司は半数以上。
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区代表取締役社長:山崎淳以下、当社)は、新入社員(社会人歴1~2年目)284名、先輩・上司(社会人歴3年以上)400名に対し、「社会人のマナーに関する調査」を実施し、「新入社員と先輩・上司間のマナーに対するイメージギャップ」や「先輩・上司が新入社員に直してほしいマナー」など、調査結果から見える実態について公表しました。
【エグゼクティブサマリ】
●ビジネスマナーに対するイメージは、新入社員の1位が「堅苦しい・古い」に対し、先輩・上司の1位は「必要不可欠」(図表1)
●新入社員が身につけたいマナーは「挨拶」「言葉遣い」がトップ(図表2)
●先輩・上司が新入社員に直してほしいマナーも「挨拶」「言葉遣い」がトップ(図表3)
●半数以上の先輩・上司が新入社員のマナーに対する指摘・指導に難しさを感じている(図表5)
●先輩・上司が新入社員のマナーに対する指摘・指導に難しさを感じている理由は「世代間ギャップ」や「ハラスメント意識の高まり」(図表6)
1.調査担当のコメント
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRDサービス開発部トレーニング開発グループ 研究員 武石 美有紀
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRDサービス開発部トレーニング開発グループ 研究員 関根 彩夏
近年、企業から「マナーを知らない/マナーが身についていない新入社員が増えている気がする」「先輩・上司側も指摘・指導がしにくくなっている」という声がよく聞かれています。
今回、新入社員のマナー意識と、先輩・上司が新入社員のマナーに対して、日頃どう思い・どのように関わっているかについて明らかにするために、「社会人のマナーに関する調査」を実施しました。
結果、新入社員はマナーを身につけたくないと思っているわけではなく、その必要性がまだ実感できていないのだと考えられます。実際、新入社員は「挨拶」「言葉遣い」などの基本的なコミュニケーションを身につけたいと思っているという結果も出ています。また、先輩・上司も同じく「挨拶」「コミュニケーション」を身につけてほしいと思っており、身につけたいと思うマナー自体は、新入社員も先輩・上司も共通していることが分かります。
マナーの本質は、相手にどのように伝わるか、相手の期待を捉えた振る舞いになっているかです。
どんな場面や相手に対しても、覚えたマナーで型どおりに対応するのではなく、マナーの意味や価値を新入社員自身が理解・納得し、状況に合わせた適切なマナーを実践できるようにすることが大切だと考えています。
お互いが重要性を感じる「基本的なコミュニケーション」をフックに、マナーの必要性や意味を巡って、ぜひ対話をしてみてください。
新入社員は、初めてのビジネス経験で戸惑いや不安もあるでしょう。そのようなときこそ、自分の振る舞いが相手にどのように映っているのか、相手がどのようなことを期待しているのかなどを聞いてみるのはいかがでしょうか。
先輩・上司は、新入社員とのさまざまな感覚のギャップから、指摘・指導に難しさを感じることもあるでしょう。そのようなときは、自らが経験したプラス・マイナスの経験を伝えるなどからスタートしてみるのも一つの方法ではないでしょうか。
マナーを巡っての対話を重ねることによって、少しずつでもお互いの歩み寄りが進むことを願っています。
2.調査の結果
●ビジネスマナーに対するイメージは、新入社員の1位が「堅苦しい・古い」に対し、先輩・上司の1位は「必要不可欠」(図表1)
新入社員に「ビジネスマナーに対するイメージ」を尋ねたところ、回答数が多い順に、1位「堅苦しい・古い(26.0%)」、2位「複雑・難しい(18.4%)」、3位「面倒くさい(13.5%)」だった。
同じ設問に対する先輩・上司の回答は、1位「必要不可欠(21.3%)」、2位「基本常識(17.0%)」、3位が「社会人として必要・基本(12.5%)」だった。
⇒新入社員はマナーを「必要不可欠」「基本常識」など身につけておくべきことと回答する割合よりも、「複雑」「面倒くさい」などの、自身がマナーを実践する際のマイナスイメージを回答する割合の方が多くなった。一方、先輩・上司は、マナーに対して「身につけておくべきこと」というイメージをもつ割合が約半数を占めた。この結果からも、新入社員と先輩・上司のマナーに対するイメージのギャップがうかがえる。
図表 1 ビジネスマナーに対するイメージ
●新入社員が身につけたいマナーは「挨拶」「言葉遣い」がトップ(図表2)
新入社員に「これだけは身につけたいマナー」を尋ねたところ、回答数が多い順に、1位「挨拶(18.8%)」、2位「言葉遣い(18.2%)」、3位「宴席・食事のふるまい(13.8%)」だった。
⇒「挨拶」「言葉遣い」という基本的なコミュニケーションを身につけたい思う新入社員が約4割を占める結果となった。新入社員が周囲とのコミュニケーションを円滑に進めたいと考えていることが予想される。3位の「宴席・食事のふるまい」に関しては、コロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが増加した結果、減少した対面でのコミュニケーションに備えて、身につけたいと考えているのではないか。
図表2 【新入社員】身につけたいマナー
●先輩・上司が新入社員に直してほしいマナーも「挨拶」「言葉遣い」がトップ(図表3)
先輩・上司に「身近な新入社員の、『これはどうしても直してほしい』マナー」について尋ねたところ、回答数が多い順に、1位「言葉遣い・コミュニケーション能力(30.7%)」、2位「挨拶(17.3%)」、3位は2つあり「一般常識がない(8.7%)」「馴れ馴れしい(8.7%)」だった。
⇒先輩・上司がどうしても直してほしいと思うマナーは、「言葉遣い・コミュニケーション能力」や「挨拶」「一般常識」という、基本的なコミュニケーションに関する記載をする人の割合が約半数を占める結果となった。ビジネスシーンに紐づく「電話対応」「報連相の徹底」などのスキルに関する記載をする人の割合を上回った。新入社員の時期においては、仕事を円滑に進めていくために、スキルよりも、まずはコミュニケーションが重要だと感じているのではないか。
図表3 【先輩・上司】直してほしいマナー
●先輩・上司が直してほしいマナーがあった時に新入社員にした対応、1位は「当たり障りのない言葉で伝えた」(図表4)
先輩・上司に「上記(図表3)について、どのような対応をしたか」を尋ねたところ、一番選択率が高かったのは「当たり障りない言葉で伝えた(49.6%)」だった。次いで、「新入社員が納得するまで話し合った(20.6%)」「見て見ぬふりをした(16.3%)」となった。
⇒「当たり障りない言葉で伝えた」「見て見ぬふりをした」などの消極的な関わりを示す回答が65.9%を占める結果となった。一方、「新入社員が納得するまで話し合った」という新入社員の理解を促す積極的な関わりを示す回答が20.6%となった。直してほしいマナーに対しての指摘・指導が難しくなっている状況がうかがえる。
図表4 【先輩・上司】どのように対応したか
●半数以上の先輩・上司が新入社員のマナーに対する指摘・指導に難しさを感じている(図表5)
先輩・上司に「新入社員のマナーに対する、指摘・指導に難しさを感じているか」について尋ねたところ、一番選択率が高かったのは「やや感じている(34.3%)」だった。次いで、「どちらともいえない(28.5%)」「とても感じている(18.0%)」となった。
⇒「とても感じている」「やや感じている」という回答が全体の52.3%となり、半数以上の先輩・上司が指摘・指導に難しさを感じているという結果だった。
図表5 【先輩・上司】マナーに対する指導の難しさ
●先輩・上司が新入社員のマナーに対する指摘・指導に難しさを感じている理由は「世代間ギャップ」や「ハラスメント意識の高まり」(図表6)
先輩・上司に「指摘・指導を難しいと感じる理由」を尋ねたところ、「厳しく言うと辞めてしまう」「生まれてからの教育方式が違うので、今までの指導法では通用しない」「どこまで言っても良いものか、パワハラにならない範囲が分からない」「ぎくしゃくした関係性になりたくない」のようなコメントが見受けられた。
⇒先輩・上司が、新入社員とのさまざまな感覚のギャップを感じていると推察する。また、社会的なハラスメント意識の高まりも影響し、積極的な指摘・指導の難しさが増していると考える。
図表6 【先輩・上司】難しいと感じる理由
●先輩・上司はマナーを実践することで、自身のメリットに繋がる経験をしている(図表7)
先輩・上司に「マナーを実践して、得をした・プラスの影響があった経験」を尋ねたところ、「取引相手に好感を得られた」「周りからの評価が上がった」「クレームが無くなったので、心が少しだけ軽くなった」「円滑に仕事が進むようになった」「会話を通して信用が出来ることで、具体的な商談がすすんだ」などのコメントがあった。
⇒先輩・上司は、マナーを実践することで、自身にとってのメリットに繋がる経験をしてきている。
それらの情報を新入社員に伝えていくことで、マナーを実践する価値を感じられるだろう。
図表7 【先輩・上司】マナーを実践して得した・プラスの影響があった経験
●先輩・上司はマナーを実践できなかったことで、自身のデメリットに繋がる経験をしている(図表8)
先輩・上司に「マナーを実践できず、損をした・マイナスの影響があった経験」を尋ねたところ、「あらゆる方面からお叱りを受けた」「ビジネスメールにおいて、返信、対応ご遅くなりビジネスチャンスを逃した」「他者からの評価の低下」「人間関係のトラブルや、噂を立てられることがあった」などのコメントがあった。
⇒先輩・上司は、マナーを実践できないことで、自身にとってのデメリットに繋がる経験をしてきている。メリットと合わせて、どちらの情報も新入社員に伝えていくことで、マナーを実践する価値を感じられるだろう。
図表8 マナーを実践できず損した・マイナスの影響があった経験
3.調査概要
リクルートマネジメントソリューションズについて
ブランドスローガンに「個と組織を生かす」を掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と、事業・戦略推進する、リクルートグループのプロフェッショナルファームです。日本における業界のリーディングカンパニーとして、1963年の創業以来、領域の広さと知見の深さを強みに、人と組織のさまざまな課題に向き合い続けています。
●事業領域:人材採用、人材開発、組織開発、制度構築
●ソリューション手法:アセスメント、トレーニング、コンサルティング、HRアナリティクス
また、社内に専門機関である「組織行動研究所」「測定技術研究所」を有し、理論と実践を元にした研究・開発・情報発信を行っております。
※WEBサイト:https://www.recruit-ms.co.jp
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