自民党の二階俊博元幹事長(85)は、次の衆議院選挙に出馬しない意向を表明した。二階氏は、鋭い政局観と幅広い人脈、調整力などを武器に自民党幹事長を歴代最長となる5年以上にわたり務めて権力を振るい、国土交通行政や日中外交などにも大きな影響力を持ってきた。

二階氏は、和歌山県議などを経て1983年の衆院選に自民党から出馬し初当選。田中派・竹下派に属したが、1993年に小沢一郎氏らと共に自民党を離党し新生党の結党に参加した。

その後、新進党を経て、自由党・保守党では自民党との連立政権に尽力し、自民党の古賀誠氏、公明党の草川昭三氏との3人の連携は「だんご3兄弟」と呼ばれた。そうした成果もあり小渕政権で運輸大臣に就いた。

2003年には自民党に復党し、小泉政権の郵政民営化に協力して存在感を示し、党総務会長、経済産業大臣などを歴任。第二次安倍政権では、幹事長だった谷垣禎一氏の自転車事故による負傷を受けて、後任の幹事長に就任した。

幹事長としては、党総裁の連続三選を可能とする党則改正を主導し安倍首相の史上最長の政権への道筋を着けるなど大きな権力を振るった。また菅義偉政権樹立の立役者となり、幹事長を続投した結果、在任5年を超える歴代最長の幹事長となった。

岸田政権では幹事長を外れ非主流派に回ったが、二階派の会長として政局の節目で大きな存在感を示していた。

外交をめぐっては、中国と太いパイプを持ち、数千人の訪中団を率いて北京を訪問し、習近平国家主席と会談するなど、日中関係が悪化する中でも深い関係を構築してきた。

内政面でも運輸大臣経験を活かしての国土交通行政や経済産業行政で特に存在感を示し、東日本大震災を受けて国土強靱化を主導し、建設関係の予算確保に力を振るった。

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