名護市の真喜屋小学校で6年生13人が卒業の日を迎えました。
卒業生たちは学び舎を巣立つ前に、母校の未来のため地域を巻き込む行動を起こし、関係者も驚く成長を遂げました。どんなことに取り組んだのでしょうか?

名護市にある真喜屋小学校で開かれた卒業式。卒業生13人が堂々と入場しました。

平良匠アナウンサー:
「卒業を迎えた6年生の13人。卒業生たちは大好きこの学校のため”残したもの”がありました。」

創立128年を迎える真喜屋小学校。大小の島々が穏やかに連なる羽地内海が近くにあり豊かな自然に囲まれた学校には、77人の児童が通っています。

2月10日撮影
この日、卒業を控えた6年生がやってきたのは地元のラジオ局・FMやんばる。

児童たち:
「地域の魅力といえば、なんといっても人です。僕たちがやりたいと願いやろうとしたことをお願いすると、みんな笑顔で協力してくれるんです」

「真喜屋小学校から徒歩10分でとてきれいな海があります。マングローブ林には大きなカニやトントンミーがいて自然が豊かなことが分かります。このような場所が徒歩10分圏内にある学校、それが真喜屋小学校です」

緊張しながらも真喜屋小と地域の魅力を伝える子どもたち。それにははっきりとした目的がありました。

児童たち:
「ぼくたちが社会科の学習で、地元の市議会議員の方から真喜屋小学校の児童数がここ10年で30人も減っているという現状を知りました」
「え、やばくない」「そこで私たちは大好きな真喜屋小学校を自分たちの手で何とか守りたいと気持ちから真喜屋の魅力探偵団を結成しました」

2014年までは100人を超えていた児童の数が徐々に減っていっている現状を知り、このままではいけないと6年生13人が立ち上がって結成したのが「真喜屋の魅力探偵団」です。

目標は「5年で全校児童を100人に増やして笑顔いっぱいの学校にする」。

魅力探偵団の活動は、子どもたち自身が真喜屋の魅力を探すことからスタートしました。

漁協と鮮魚店の協力で魚をさばく体験や、近くに流れる源河川で水遊びをするなど自然を満喫。

真喜屋の魅力を再発見した子どもたちは、より多くの人に魅力を知ってもらおうと行動を起こしました。
子どもたち自身が考え、ホームページやポスター、ラジオ、ユーチューブ、それに新聞の5つの班で活動することを決めたのです。

真喜屋小学校増田一郎先生:
「新聞社に自分の記事を載せてほしいというのは僕がいうのは簡単なんですけど、(児童に)電話させたときは、ぶるぶる震えるんです漫画のように震えているんですけど、そのあとオッケーもらった後の表情見ると、絶対自分でよかったと」

小学校のために、そして地域のために活動する子どもたちの熱意に動かされた地域の人がサポート。

動画の編集やより伝わる文章の書き方などを教わりながら、5つすべての班で真喜屋の魅力を発信しました。

そんな子どもたちを地域の人たちも温かく見守っています。

◆魚さばき体験に協力したなかそね鮮魚店の店主:
「子どもたちが自主的に真喜屋のこと宣伝していく広めていく、子どもたち非常に頑張り屋さんですね」

地域を巻き込みながら活動をしてきた真喜屋の魅力探偵団。
これまで協力してくれた地域のために恩返しがしたいと、この日、カヤック体験の際に見つけた橋の下の落書きをみんなで消しに行くことにしました。

電話で橋の管理事務所に許可取りのため電話・児童
「落書きを真喜屋小の6年生のみんなで消したいんですけど、よろしいですか」

担当者:
「はい、大丈夫です」
児童:
「やったー!」

真喜屋小学校6年生・知念竜喜さん:
「落書き消してきれいになったので、真喜屋の怖いイメージが少し少なくなったと思うのでよかったです」

子どもたちの成長には保護者も驚いています。

保護者:
「子どもたちが頑張るので、私たちも少しでも協力できればと」

Q行動力はどうですか?
Aこんなこともするの、こんな考えもあるのとか、日々驚かせられていますけど、それに伴って一緒に頑張っていこうかなと

卒業を控えた2月、この日5年生に集まってもらった6年生たちは、自分たちが見つけた以上に真喜屋を魅力を発見してほしいと探偵団の活動を後輩に託しました。

真喜屋小学校6年生・知念竜喜さん:
「僕たちが魅力を見つけたのはすべてじゃないと思うので来年はもっと見つけてほしいです」

真喜屋小学校6年生・玉那覇成さん:
「中学生になっても出来たら真喜屋のことをいろいろ発信したり、こういう活動を個人で続けていきたいと思っています」

子どもたちの活動を一番近くで見てきた担任の増田先生は、子どもたちからの「やってみたい」という言葉がどんどん出てくるようになったのが、一番の成長だと話します。

増田一郎先生:
「この子たちは、真喜屋の学区をどうにかしたい学校をどうにかしたい、絶対僕には考えていなかった活動をさらりとやりながら、しかもやりたいを全部乗り越えて全部達成していくんです。そういう力を見せてくれことも、僕にとっては、13人が真喜屋の魅力そのものだったなと思って」

5年生:
「真喜屋の魅力探偵団は僕たちが引き継ぎました!」

6年生13人はこの日、たくさんの思い出が詰まった学び舎を後にしました。

真喜屋小学校6年生・山本芽衣さん:
「めちゃくちゃ楽しくてワクワクして、悲しいもあるけど、それを通り越している感じ」

真喜屋小学校6年生・真栄田星彩さん:
「感謝とありがとうという気持ち。嬉しいです」

真喜屋小学校6年生・松田大和さん:
「真喜屋の魅力探偵団をやったりして、たくさん思い出ができたなと思っています」

真喜屋小学校6年生・宮城颯人さん:
「小学校に入る人が増えればいいなと思います」

5年で全校児童を100人に増やして笑顔いっぱいの学校にする。
真喜屋の魅力探偵団の活動はこれからどのような広がりをみせてくれるのでしょうか。

沖縄テレビ
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