東日本大震災から3月11日で13年となります。
岩手県内の被災地の現状はどうなっているのか、データで見ていきます。

まずはハード面です。まだ整備が終わっていないものもあります。
国が整備している湾口防波堤は、宮古港・釜石港・大船渡港の3カ所で工事が完了していますが、久慈港では資材の高騰などを理由に完成は当初から5年遅れの2033年度となる見込みです。(釜石港湾事務所調べ)

県や市町村が整備する防潮堤などの海岸保全施設は、計画された区間の76.8キロのうち76.7キロ整備済みで、99.9パーセントの整備が完了しています。
残るは宮古市の閉伊川の水門のみですが、地盤改良などのため工事は予定よりずれ込んでいて完成は2026年度の見込みです。

土地のかさ上げについては、工事は完了していますが、整備された308ヘクタールの宅地のうち129ヘクタール(42%)が今も空き地となっています。
特に陸前高田市では約60%の宅地が使われないままとなっています。(2023年12月末時点・国交省まとめ)

続いては、震災後に発生した課題が復興に影を落としているケースを見ていきます。

観光業は、観光シーズンの4月から6月でみると、沿岸への観光客数は新型コロナウイルスの影響が続き、2023年は震災前の82%にとどまっています。(県調べ)

また水産業も設備の復旧や整備は完了していますが、漁業者の減少に加えて深刻な不漁も続き、2023年の県内の魚市場での水揚げ量は震災前の41%にとどまっています。(岩手県水産技術センター水産情報配信システム調べ)

こうした中、2023年、県が沿岸の住民を対象に「復旧・復興の実感」について調べたアンケートでは、「進んでいる・やや進んでいる」と答えた人の割合が、前の年(2022年)から0.7%減少しています。(県調べ)
わずかではありますが減少したのは2013年以降初めてのことです。
県では不漁やコロナ禍・物価高騰による経済の不調が影響しているとみています。

そして沿岸12市町村の人口は、2月1日時点で21万396人、震災前と比べて22.9%減っています。(県調べ)

追悼式典については、震災から10年以上が経過した中で行わない自治体も増えてきています。
実施を予定しているのは、宮古市・大船渡市・久慈市・陸前高田市・釜石市・大槌町・山田町です。

一方で静かに追悼したいという遺族の声などを受けて岩泉町・田野畑村・普代村・野田村・洋野町では実施しないとしています。

また県による追悼式ですが2024年は初めて盛岡市で実施されます。

岩手めんこいテレビ
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