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創業1948年、愛知のバッグ製造卸会社マツモト


株式会社マツモトは、1948年の創業以来ランドセルを始めとしたバッグ類の製造・卸を手掛けてきたバッグの総合メーカーです。モノづくり大国愛知で生まれ、バッグ作りに情熱を捧げてきました。76年も続くモノづくりを支えてきたのは、全てのスタッフの想い「使う人の笑顔が見たい」その一心です。

このストーリーでは「くるピタランドセル」の誕生秘話と、歴史を紹介いたします。


1952年当時の社屋付近の風景


ランドセル製造の歴史と「まぐちゃん」のブーム

1964年、軽くて丈夫!がキャッチコピーのTVコマーシャルを放送し、業界初の錠前にマグネットを入れた画期的な商品出会ったことから、世の中にまぐちゃんランドセルのブームが到来しました。この頃からマツモトのモノ作りの主体はランドセルとなり、現在まで続くランドセルメーカーとしての歴史を刻んでいくことになります。

まぐちゃんランドセルの生産風景



ところでランドセルの歴史は1887年、明治10年10月に開講した学習院からと伝えられています。大正天皇のご入学祝いとして伊藤博文が献上した、箱型の背おいタイプのバッグが始まりでした。その後130年以上の歴史の中で、驚くことにランドセルの形はほとんど変わっていません。それだけ初めから完成されたデザインだったという事ですが、変える余地がないものとも言えました。

マツモトのスタッフは、日々ランドセルを企画する中で考えていることがありました。それは、ランドセルをもっと楽しく使ってもらえること。世の中を見れば、色々なものが便利に楽しく変化していく中で、ランドセルはどうでしょうか。確かに軽くなり、背負い心地は向上しましたが、あくまで大人目線での機能です。子どもたちがもっとランドセルが好きになるような、子どもたちを笑顔にする魔法のようなランドセルを作りたい。同じ形のランドセルを作りながら、スタッフはいつも考えていました。


日々の使いやすさを追求したランドセル開発

そんな中、現場から小さな気づきが生まれたのは2010年頃。

とあるスタッフが、低学年の子どもがランドセルの開け閉めに苦戦する姿に気付きました。小さな鍵をつまんで回して金具を外す、その逆も、小さな穴に鍵をはめて小さな金具を回す…… 大人にとってはなんでもない動作ですが、子どもにとっては一仕事です。聞いてみれば、他にも同様の子どもがいることがわかったのです。

それを聞いた開発スタッフは錠前メーカーに向かいました。目指すは簡単に開け閉めできるランドセルの錠前を作ること。ランドセルは子どもたちの毎日の生活において、一番身近にある存在です。1日に何度も開け閉めするシーンがあるのだから、なんとしても使いやすい錠前を開発しなくてはと、開発スタッフはそう考えました。

様々な仕組みの錠前を並べて片っ端から試しました。トライアンドエラーを繰り返し、やがてたどり着いたのは磁石の力を利用するものでした。

磁石の力でギミックが回転するので、バックルを近づけるだけでロックができます。解錠にはバックルを回すだけ、従来の金具と異なり回転部分を穴に通す必要がないので、この部分のサイズは自由に変更可能です。つまり、持ちやすい大きなサイズにすれば、手が小さく力が弱い子どもでも、掴みやすく回しやすい、理想的な錠前ができるのです。


遊ぶような感覚で、使いやすく楽しく。「くるピタ」錠前の開発秘話

約2年の開発期間を経て、ついにマツモトのオリジナル「くるピタ」錠前が誕生します。ドイツのバックルメーカーFIDLOCK社独自の技術をベースにランドセル用として開発したくるピタ錠前は、マグネットを使用したバックルを近づけるだけで自動でロックでき、開ける時もバックルを回すだけで簡単に操作できます。指先でつまんで回す必要がある従来の錠前と異なり、くるピタ錠前の大きなバックルは掴みやすく、5本の指全てを使って操作するため使い心地は飛躍的に向上。そして何より、くるっと回ってピタッと止まる、その操作性の良さは、試作に協力してくれた子どもたちの心を一瞬で捕らえました。

ただ教科書を入れて登下校するのではなく、そこに使いやすさ・楽しさをプラスすれば、子どもたちはもっと笑顔になる。小さな気づきから生まれた発想が、子どもたちを楽しくするランドセル作りへとつながった瞬間でした。

くるピタ錠前


予想外だった世間の冷ややかな評価。ランドセルにおもりを入れた実験検証で再訴求

満を持して発売に至った「くるピタランドセル」でしたが、自信満々のスタッフが直面したのは厳しい評価でした。世の中の反応は驚くほど冷ややかだったのです。くるピタランドセルの前例のないギミックは、多くの親に抵抗感を与えてしまいました。子どもたちが大喜びで触って遊ぶ後ろで、眉をひそめる両親の姿。すぐ壊れそう、聞こえてくるそんな声に営業チームは販売方法を改めます。

「くるピタ」錠前は強度に優れた壊れにくいという事実の訴求です。技術ベースとなったFIDLOCK社は、ドイツの世界的バックルメーカーであること。何よりも開閉がしやすいこと。耐久性は非常に強いこと。機能の信頼性は抜群です。そして、くるピタのメインの機構はマグネットであること。N極とS極の磁力を利用して作動する金具は、従来の回転金具と異なりスプリングのような精密な部品がありません。つまり、衝撃を受けて凹んだり、歪んだりしても直ちに動作不良とはなりにくいのです。

これらに加え、さらにマツモトは頑丈さをインパクトある方法で伝えるため、実際に3kgのおもりを入れたランドセルを何度か落下試験を行い、強度テストも行いました。スタッフとが見守る中、くるピタ錠前は、見た目に傷こそはついたものの、しっかりと回転し施錠/解錠ができたのです。



評価を勝ち取った「くるピタ」口コミで広がる信頼と実績

こうした地道な告知をする傍ら、くるピタランドセルは子どもたちとその母親の間でゆっくりと、しかし確実に評価を得ていきました。

「くるピタ錠前が楽しくて、自分で進んで準備するようになった」

「開け閉めの苦手な子が、くるピタなら自分で開け閉めできた」

「帰りの会のしたくが一番にできるようになったよ」

子どもたちの笑顔が見えるこんな声を聞き、開発スタッフの苦労は吹き飛びました。

子どもたちをもっと笑顔にしたい。スタッフの願いが叶った瞬間でした。

くるピタ錠前は今ではすっかり"ラン活"の世界にも浸透し、発売当初と比べ、知名度は驚くほど上がってきました。日本全国の大手販売店、百貨店に特設コーナーが作られ、社屋で開催する展示会にはくるピタランドセルを指名して探しにくる家族もいます。遠方のお客様に向けて、インターネットでの直販や、インターネットから申し込み自宅で試着できる「おためしランドセル」もスタートしました。またカタログをビジュアル的に楽しめるフォトブックのような仕様に変更。モデルはSNSで公募を行い、ラン活をする家族が楽しんでページをめくれる、見応えのある冊子にバージョンアップしました。

子どもの笑顔を引き出したい。マツモトの飽くなきランドセル開発

130年余の間、姿を変えずあり続けたランドセルですが、マツモトは錠前という部分から進化を促しました。さらにはインターネットを使用した新しい販促を次々と打ち出し、「カバンを使う人=子どもたち」と、その家族との距離はこれまでになく縮まってきました。

使う人たちの笑顔が見たい」、その心を胸に、そして次なる楽しい機能との出会いに向けて、マツモトはランドセルの開発を続けています。








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