2024年2月28日から29日にかけて、熊本県が発注した天草市にある樋門の工事で農地に海水が流れ込んでいたことが分かった。県は被害を訴える農家に謝罪し、3月8日には説明会を開くとしている。
工事中の樋門から農地に海水流れ込む
海水が流れ込んだのは天草市河浦町の農地約19ヘクタールだ。
この記事の画像(5枚)熊本県によると、県の工事を受注した業者が2月28日に堤防にある『古江樋門』の扉の部品を取り換える工事を行っていたが、扉を外したままその日の作業を終了。
これにより、夜になって潮位が上昇した際、海水が水路を逆流し農地へと流れ込んだ。
扉を外したままにした理由について工事業者は「別の業者が樋門付近に置いていた大型の土のうが水の侵入を防ぐと判断した」と県に説明したという。
地元農家の倉田晋一さんは「従業員が水田を見回りに来た時に、ほぼ水田が見えなかった。湖の状態になっていた」と当時の状況を説明した。
県は地元農家に謝罪し調査開始
県は3月4日、地元農家から聞き取り調査を行い謝罪した。
参加した農家からは「田植えをする予定だった苗を処分しなくてはいけない。補償をどうするのか」など怒りの声が上がった。
田んぼと畑が浸かった倉田晋幸さん:思ったような回答が得られなかったので、こういった会を何回か開いていただいて、私たちも納得できるような回答をいただきたい
山﨑果樹園・山﨑修代表取締役:(果樹園が)膝の高さぐらいまで(海水に)水没したような形で、もう海みたいになってました。(県には)早く方向性を決めてほしい
県は3月8日に説明会を開き、詳しい被害状況の調査や今後の対応についても説明を行うということだ。
(テレビ熊本)