子どもに読ませたい「本」の選び方、みなさんはどのようにしていますか。
そのヒントになるユニークな本屋さんを島根県出雲市で取材しました。

島根県出雲市平田町の「小村書店」。

【山下 桃 アナウンサー】
「お店のなかに入るとすぐに絵本のコーナーがあります。子どもたちの目線の高さに合わせて並べられていますね。そして、こちらには季節の絵本がピックアップされています」

絵本や育児書の品揃えに力を入れるこの書店。
創業100年を超え、代々、家族で店を切り盛りしています。
その5代目にあたるのが、小村 将史さんと妻の優衣さん。
ともに元・保育士です。
3年前、あとを継ごうと保育士を辞め、店に立つようになりました。

【小村書店・小村 将史さん】
「自分たちが元々保育士をしていたというのもあるので、一年間の流れというのもわかる。
行事があって、ここに向けてこういう本を読んであげたいとか」

元保育士の経験を生かして小村さん夫婦が始めたのが、「選書」というサービス。
子ども一人一人に合わせてぴったりの本を選び、薦めます。

【小村書店・小村 優衣さん】
「これはいろんなごはんのバリエーションが載っとる本で・・・」

まずは、子どもの発達状況や興味・関心、さらに本を贈る狙いなどを聞き取り、ふさわしい本を選びます。
「選書代」としての料金は無料。客から受け取るのは本の代金だけです。
全国で、この20年間に書店がほぼ半減するなか、小さな書店にとっての生き残り策でもあります。

【小村書店・小村 将史さん】
「今、どんどん本屋が減っていく時代に、まちに本屋がないよりあったほうがいいよねと。
まちの価値も含めて存続できたらと思っています」


「よろしくお願いしまーす」この日、優衣さんは出雲市内の保育園へ。
店を飛び出しての「出張本屋」です。

【小村書店・小村 優衣さん】
「絵本を読むときに、お母さんやお父さんがその物語を一緒に楽しむことがすごく大事になっていて…」

子どもだけでなく、お父さん、お母さんにも本との向き合い方を伝えます。
このあとは販売タイム。
今回は0歳から1歳の親子におすすめの絵本をそろえました。
子どもたちは、「早く読んでほしい!」という様子です!

【保護者は】
「何がおもしろいかわからないので、おすすめしてもらえるとそれ読んでみようかなと助かる」
「普段あんまり本屋さんに行かないので、あると便利。見て、さわれていい」
「本は大事だなって思ったので今後も読んであげたい」

保育士の目線で本を選んでくれる書店は、家庭や、保育の現場にとっても心強い味方になっています。

【浜山あおい保育園・古川 暁子 副園長】
「保育士さんでもあるので、本を同じ思いで手に取れるといいますか、私もやっていて楽しかったですし、やっている側が楽しいと子どもたちや親にも伝わって、本を手に取ってくれる機会が増えたんじゃないかなって思ってます」

インターネットを通じて動画やゲームなどさまざまなコンテンツがあふれる今の時代だからこそ、小村さんは、子どもたちに本に親しむ時間を大切にしてほしいと考えています。

【小村書店・小村 優衣さん】
「本はお母さんたちの手を止めないと読んであげられないというのが親子の時間につながると思っていて、今だからこそ絵本に触れてほしいなって思っています」

<スタジオ>
子どものころのお気に入りの絵本って大人になっても覚えているので、たくさんの本に触れてほしいなと思います。
小村書店では、絵本のおまかせセットをインターネットでも販売しています。

テレビ新広島
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