生活に欠かせない水。沖縄では過去、断水や給水制限が設けられるなど水不足に悩まされてきました。その歴史を振り返ります。

1981年住民インタビュー:
「雨が降ってくれないと困りますね団地なんて綺麗に(水道水が)止まるんですよ、ちょろちょろもないんですよね、できたら早く解消して欲しいですけど」

県企業局によりますと、県内では本土に復帰した1972年から94年までの間に延べ1130日の給水制限が行われ、特に水不足が深刻だった1981年から82年にかけては326日間も続きました。

豆腐屋は(1981年):
「豆洗うのに随分水使うんですよ、だからうちの場合2度やっていますのでドラム缶3杯から4杯ぐらい使うんですよ」「この調子だったらしばらくしたら豆腐を減らさないといけないんじゃないかなと思っています、商売上がったりですね」

当時は1日おきに断水する「隔日給水」が行われ、各家庭では屋根の上のタンクやバケツに水をためるなどして生活用水の確保に追われました。

待てど暮らせど降らない雨。そんな中、ある作戦が決行されました。
それは「人工降雨作戦」です。

自衛隊機から大量の水を散布し雲を刺激するという作戦はのべ11回に渡り行われましたが、県民の期待も虚しく渇水を緩和するほどの成果は得られませんでした。

20年前の2004年にも記録的な小雨に見舞われ、倉敷ダムでは宮古島の伝統舞踊「雨ごいのクイチャー」が行われました。

宮古民謡保存会国吉源次会長:
雨が降らないと大変ですよ、私たちの願いを神様はきかないといけないですから、そういう意味で私たちはやりました」

水不足の影響はこんなところにも。

給食センターの職員:
「子ども達の学校給食が大ピンチですよ、子ども達の栄養を確保する為の献立がきちんと立てられない」「断水による献立変更が余儀なくされている」

給食の皿もすぐに捨てられるプラスチックの容器に!

児童は:
「断水で洗えないから変えたんじゃないかな」

本土復帰以降、ダムや取水施設の建設が進み、また、海水淡水化施設も各地に整備されたことにより、沖縄本島では1994年以降、給水制限は行われていません。

蛇口から水が出てくるのが当たり前のように感じられますが、水は限りある資源である事を忘れてはいけません。

給水制限という事態を防ぐため県は節水への協力を呼びかけています。
具体的な方法としてシャワーの時間を1分短縮できれば12リットルの節水、洗濯物をまとめ洗いすれば1日あたり50リットルの節水ができると紹介しています。そのほか、トイレの大・小のレバーを使い分けることや使用した食器については事前にキッチンペーパーで汚れや油をふき取ることで節水に繋がるとしています。一人一人が心がけて水を大切に使いましょう。

沖縄テレビ
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