有事における自衛隊の輸血のあり方を検討してきた防衛省の有識者会議は21日、血液型を問わず投与できる血液製剤を確保すべきだとする提言書を取りまとめ、松本尚政務官に手渡した。
戦場での死因の多くは失血だが、自衛隊は現在、有事の際の隊員への輸血について、血液型ごと、血液の成分ごとの血液製剤を日本赤十字社から調達することとしており、血液型の確認などの煩雑さが課題となっている。
提言書では、血液型を問わず投与でき、止血効果がある血小板を含む「低力価O型」の全血製剤について、「シンプルで迅速に輸血でき、極めて有用である」と結論付けた。
防衛省はこの新たな全血製剤を独自に製造する方針を固めていて、薬事承認などに向けて厚生労働省と調整を進める。
