データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

和歌山県の世界遺産「熊野古道」のふもとにある「アカネの里」。

「アカネの里」は単身移住した農業初心者の遠藤裕一(65歳)が8年前に放棄地を開墾し作り上げた約10,000㎡の梅農園である。



現在そこで収穫できるのは両種とも幻の梅と呼ばれている「露茜(つゆあかね)」「橙高(とうこう)」。「露茜」はアントシアニンが非常に多く、果肉まで真っ赤になる新品種。「橙高」はベータカロテンが非常に多く橙色になる和歌山県限定新品種。



両種ともにすばらしい品質なのになぜ栽培されず幻の梅になるのか?!

「誰もしないなら俺がやる!」

途方もないチャレンジだった!10,000㎡の梅農園を一人で!

話し相手は800本の梅の樹だった。それが「命名サポーター」誕生に。


今回のストーリーでは、「アカネの里」とそこで栽培される幻の梅を支える「命名サポーター」誕生の経緯についてお伝えします。

幻の梅「露茜」と出会い、新規就農を決意。梅農園「アカネの里」誕生

もともとアミューズメント業界に就いていた遠藤は、新商品の開発や新規開拓が好きだった。業界が盛期を迎え少し落ち着いたころ和歌山市内で飲食店をはじめた。また新たなことをしたくうずうずしていた頃、お客さんとの梅の話が発端となり、梅の加工品に着手、その過程で「露茜」の存在を知り「果肉まで真っ赤な梅」に魅せられてしまう。頭の中には真っ赤な特性を生かしたさまざまなアイデアがあふれ出た。だが一つ問題があった。それは「露茜」は幻の梅と言われるように梅果実自体の市場流通がなく、ものがない、ということだった。

なんとか知り合いをたどり「露茜」を作ってほしいと頼むが、誰も応じてくれる農家はいなかった。

「誰もしないなら、自分でするしかない、俺がやる!」

まわりの反対を押し切り遠藤は農家になることを決断。その時55歳。早速、和歌山県立就農センターに入学。卒業後の2016年に和歌山県認定新規就農者に認定された。

同年、耕作放棄地を開墾、造成し、10,000㎡の梅農園を完成させた。そこに約800本の露茜を植樹した。梅農園「アカネの里」の誕生である。


開墾前の放棄地


開墾完了


新植(露茜)

梅の木の名付け親として成長を見守り、果実を通じて生産者と喜びを分かち合う「命名サポーター」

露茜の栽培は通常の品種よりも難しいと言われており、また和歌山県としても前例のない規模でだったこともあり、植樹に際しては和歌山県うめ研究所(和歌山県みなべ町)のご協力をいただいた。ただ、露茜は当時、育てている農家はおらず農作業は手探りだった。周辺の南高梅農家の栽培を参考にしたりしながらも、開墾した10,000㎡は一人で農業を行うにしては広く、農業初心者の遠藤は、失敗を繰り返しながら必死に不慣れな農作業を行う日々だった。



当時、畑には自分と梅の樹だけで遠藤はそのうち、梅の木に話しかける毎日になった。栽培されている梅の樹も一本一本育ち方が違い、枝が良く出る樹もあれば、なかなか成長しない樹もある。そのうち、遠藤は特徴に合わせて名前を付けて話しかけるとその木が実際元気に育つように感じた。

常々、「みんなに露茜の特性を知ってもらい、ベストな状態で露茜を使ってもらいたい」と考えていた遠藤にとって、ひとつのアイデアがうかんだ。

「露茜に興味がある人に、露茜の樹体1本1本に名前をつけてもらい、育成を応援するサポーターになってもらおう!」

「樹体に名札を付け、自分はその名前を呼びかけながら農作業を行い、SNSで日々の成長過程や農作業の工程をサポーターに知ってもらおう」

「ここ(農園)に来れる方は、栽培体験や収穫体験をしてもらい、ファンになってもらおう」

命名サポーターは遠い地にいながら、アカネの里を応援し、梅の樹の成長を見守り、楽しみ、収穫後には成果(梅果実)を受け取ることで生産者と喜びを共有でき、さらに自宅で加工という体験をし、美味しさを味わう。これが「命名サポーター」だ。




幻の梅「橙高」、交配樹から美味の主役へ。加工で開花する驚きの風味

遠藤は「エコファーマー」として農薬をできる限り使わない安全な農作物を提供することを目指していたために、農作業はさらに過酷なものだった。農薬を使わないゆえに伸び放題になる草刈りは1年中する必要があるのだ。それに加え、露茜は自分で受粉を行い実をつける品種ではなかったため、花が咲く時期には花粉を花弁に人為的につける人口受粉を一本ずつ行う作業を毎年行っていた。一人で行うのはもう限界がきていた。2020年「なんとかできないか?なにか方法はないのか?」和歌山県うめ研究所に相談した。露茜と開花時期が同じ「橙高(とうこう)」を露茜の横に交配樹(受粉樹)として植樹することを勧められた。橙高は和歌山県限定品種であまり耳にする品種ではなかったが、すぐに100本植樹を行った。


(↑中央の背の低いのが橙高、左右の背の高いのは露茜)


橙高も無事育ち、予定通り交配樹としての役割は果たしてくれ安心した。橙高も実がなり熟してきた頃、何とも言えないいい香りがした。「ひょっとしたら…」遠藤の得意のカンが働いた。「橙高を加工してみよう」。結果は驚きだった。きれいな色で、香り、味も通常の梅とは思えないみかんや熱帯の果実を思わせる独特なフルーティーな仕上がりだった。



★橙高の収穫も安定してきたため、橙高の「命名サポーター」と「手づくりキット」を2024年2月28日まで、クラウドファンディング Makuakeにて募集している。

https://www.makuake.com/project/toukou/

幻の梅を世に出す挑戦。露茜と橙高の栽培と市場認知

アカネの里で育てている露茜と橙高はどちらも「流通のない梅」「幻の梅」などと言われる希少で珍しい梅である。

露茜は果肉まで真っ赤になり、梅とは思えないフルーティーな香りがし、さらにポリフェノール類など機能性成分が豊富に含まれる梅である。

橙高は熟すと橙色になり、みずみずしい柑橘の風味が合わさり酸味が抑えられた梅で、ベータカロテンの含有量が南高梅の6倍もある。

どちらの品種も高品質な梅であり。「梅とはすっぱいもの」との認識が覆されるようなポテンシャルを秘めている。しかし2024年の現在も、栽培している農家は非常に少なく、広がりを見せない。特に橙高は和歌山県でのみでしか栽培ができない品種のため、栽培している農家は数えるほどしかない。

梅といえば和歌山県が生産1位を誇る「南高梅」。

現状、梅農家にとって南高梅は栽培や流通経路、販売方法が確立されており、安定的に収穫、収益が見込まれる梅である。なので梅農家はリスクを冒してまでわざわざ新品種への栽培にふみきらないのである。また、露茜も橙高も流通していないため梅農家であっても品質の良さを知る人も少ない。

このような背景により、露茜、橙高ともにとても高品質な梅でありながら、いつまでも「幻の梅」と呼ばれているのである。

消費者の梅に対する認知度を高め、産地活性化へ

梅を消費者に届けるためには市場流通させる必要がある。流通経路を作るためには生産量が大幅に増える必要がある。生産を増やすためには栽培する農家が増えなくてはいけない。

栽培する農家が増えないのであれば、逆の発想で農家が新品種を栽培したくなるように消費ニーズを高めればよいのではないか。

アカネの里では収穫量も年々増え、梅シロップや梅酒など、梅の加工品を世に出す準備を現在行っている。今年中には酒造免許もおり待望の酒蔵ができそうだ。果実の販売や命名サポーターだけではなく、梅仕事を自宅体験できる「簡単手づくりキット」も既に販売している。これらも果実や加工品を消費者に届けることで露茜と橙高の認知度がアップし、需要が高まり、その結果として栽培する農家が増え生産量の増加、市場流通へと導く取り組みである。


簡単 手づくりキット (Makuake 「橙高」手づくりキット大)


果肉まで真っ赤で、加工しても紅色の梅「露茜」。熟すと橙色に、加工すると黄金色で美味な梅「橙高」。「日本を代表するような梅を目指したい」と遠藤は語る。

豊富な機能性成分を活かした多様な加工品開発が進み、需要が創出され、梅の新たな市場が拡大し、生産者の増加、産地の活性化によって、幻の梅がいつか幻ではなくなることを願っている。




■幻の梅「橙高」クラウドファンディング Makuakeにて応援購入募集中

「橙高 手づくりキット」、「橙高 命名サポーター」(2024年2月28日まで)

https://www.makuake.com/project/toukou/


■幻の梅「露茜」アカネの里 Webサイトにて

2024年「露茜」サポーター募集中、「露茜 簡単手づくりキット」、「凍結完熟露茜果実」販売中

http://www.q-fruit.com/


■アカネの里 Instagram

https://www.instagram.com/akanenosato/




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
PR TIMES
PR TIMES