79年前の沖縄戦の激しい艦砲射撃や爆撃は地形や海岸線の姿をも変えていたことが新たな研究でわかりました。

沖縄戦の実態を物語る新しい戦争遺跡の発見です。

糸満市の平和祈念公園にある摩文仁の丘の断崖です。

巨大な岩石が連なり壮大な景観が広がっていますが、これが自然に生み出されたものではないことが新たな研究でわかりました。

琉球大学工学部・仲座栄三教授
「これが1945年の艦砲射撃による砲弾の炸裂によって発生したということを突き止めまして」

79年前の沖縄戦でアメリカ軍は艦船からの激しい艦砲射撃を地上に向けて浴びせました。

琉球大学工学部の仲座栄三教授の研究では沖縄戦の激戦地となった摩文仁の丘の断崖の崩壊や鋭く割けた岩石は、艦砲射撃の砲弾の破裂で割れたものだということがわかりました。

琉球大学工学部・仲座栄三教授
「自然の風化で岩が割れることない。人工的な何らかの爆風によりと破壊されたと判断できるわけです」

また米須海岸や荒崎海岸、それに久高島のリーフ上に存在する無数の岩石についても、これまでは台風による高波でサンゴ礁が破壊されたものと考えられていましたが、調査の結果、砲撃によるもので周囲には爆発の痕跡が多数見つかりました。

琉球大学工学部・仲座栄三教授
「海岸線を集中的に狙った砲弾であると想定できる。穴があったりリーフ上の痕跡だったり、それに『沖縄戦の弾痕』名づけました。摩文仁の崖の崩壊した岩場も『沖縄戦の石』と呼んでいく方がよいのではないかと」

「沖縄戦の石」と「沖縄戦の弾痕」は激しい艦砲射撃の実態を物語るものだとして、仲座教授は戦争遺跡として平和学習などに活用が広がることに期待感を示しました。

沖縄テレビ
沖縄テレビ

沖縄の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。