普天間基地の移設に向けた工事が進められる名護市の大浦湾で環境保護団体がサンゴの調査を実施し、サンゴが海底を覆う割合が少なくなっていることなどを報告しました。
日本自然保護協会は2005年から年に1度、大浦湾沖のサンゴの生育状況などを調べていて、ことしは1日までの2日間、4カ所で調査を実施しました。
その結果、4か所のほとんどで前の年よりも海底を覆う割合が減少していたほか、産卵しても着床できない状況が確認され、サンゴの成長が遅くなっていると報告しました。
安部真理子主任は気候変動が影響した可能性に言及しつつ、ことしに入り大浦湾で埋め立てに向けた工事が始まっていることに懸念を示しました。
日本自然保護協会・安部真理子主任
「(工事の影響が)明確にあるとは言えませんが、こんな至近距離で土砂を投入したり、海流を止めたりしたということは生態系にとって良い影響は与えないと考えています」
調査では土砂が堆積し死滅したサンゴも確認されましたが、石材が投入されている場所から離れているため工事の影響かどうかわかっていないとしています。