18日午前9時半すぎ、東京・荒川区南千住の39階建てのタワーマンションで火災が発生した。
この記事の画像(13枚)タワーマンションから激しく燃え盛る炎。その隣のベランダで助けを叫ぶ人も見られた。
警報が鳴る非常階段を…避難の様子
住民が撮影した動画には、警報が鳴る非常階段を降りる人たちの姿が。「落ち着いてゆっくり避難しましょう」という声、マンション内に設置されている送水管からホースが伸びているのが確認できる。
火が出たのは5階の部屋で、男女2人が逃げ遅れたが、隣の部屋のベランダに移るなどして救助された。このうち80代女性が煙を吸い、病院に搬送されたという。
火は火元の部屋の20平方メートルを焼いて消し止められ、上の階や隣の部屋に燃え広がることはなかった。
海外の高層マンション火災では死者も
その一方で、海外で起きた高層マンション火災ではこのような事例もある。
2017年にイギリス・ロンドンのタワーマンションで起きた火災は、最上階まで炎に包まれ、72人が犠牲となった。
2020年には、韓国南東部の蔚山市でマンションや商店が入った高層ビルで大規模な火災があり、こちらでは約90人がけがをした。
そうした中、今回、荒川区の高層マンション起きた火災では、火が他の部屋に燃え広がらなかった。
日本のマンションの防火対策
この理由について、元麻布消防署長の坂口隆夫さんはこのように指摘する。
坂口隆夫氏:
(日本の)マンションは建築基準法、消防法などで厳しく規制されていますから。火災が発生した住戸以外には延焼しない構造になっている。これは外国と違うところですね。
坂口さんによると、住戸ごとに耐火構造の壁・床・天井で区画され、ドアも防火扉になっているという。
坂口隆夫氏:
11階以上の階には、消防法でスプリンクラーが義務設置となっている。それに火災のときには、基本的に2方向避難が確保されているということですね。隣のベランダとの間が隔板で仕切られていて、それを蹴破れば隣のベランダに避難することができるんですね。
(「イット!」1月18日放送より)