警視庁などが初めて偽造マイナンバーカードの拠点を摘発し、中国籍の26歳の女が逮捕された。押収された偽のマイナンバーカードは本物そっくり。
どのように使われるのか?
偽造マイナカードの拠点を初摘発
本物そっくりに作られた偽のマイナンバーカード。右上には、本物と同じウサギのマークもある。
街で感想を聞くと、「えーすごい! 上手に作られているなと思う」「本当に本物そっくり。何がむしろ違って、偽造とわかったんだろう」と驚きの声が上がった。
今回、警視庁などが初めて偽造マイナンバーカードの拠点を摘発した。
この記事の画像(14枚)マイナンバーカードなど22枚を偽造した疑いで逮捕された、中国籍の周桜テイ容疑者(26)。
周容疑者「9月からマイナンバーの依頼が増えた」
押収された偽のマイナンバーカードを見ると、顔写真が印刷されたうえ、より本物に近づけるためICチップのようなものが埋め込まれている。
周容疑者は、中国の指示役から送られてきた顔写真や住所などのデータをもとにカードを偽造。その偽造カードを日本にいるベトナム人などに発送していたとみられている。
押収されたパソコンには、約3000枚分の偽造カード用データが残されていたほか、自宅からは偽のカードの台紙750枚も見つかっている。
周容疑者の1日あたりの報酬は、1万2000円ほど。しかし、「安いからやめたい」と話したところ1万6000円に上がったという。
偽マイナカードはどう使われる?
こうして5カ月で200万円ほどを稼いでいたとみられる周容疑者。作られた偽のマイナンバーカードは、どのように使われるのか。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三氏:
ICチップは今まで作られたことは聞いたことがないので、あくまでも表面的な見せるためだけのマイナンバーカード。(偽物の)マイナンバーカードから携帯電話を作って、それを特殊詐欺やフィッシング詐欺、そういった犯罪に使う。
保有者が9000万人以上にまで増えたマイナンバーカードが偽造されたことに対し、河野デジタル相は…。
河野デジタル相:
何が偽造されているのか、単なる券面のコピーなのか、それ以上の物なのか、そうしたことについてしっかり確認していきたいと思っています。
調べに対し、周容疑者は「1日20枚から60枚作った」と話し、容疑を認めている。警視庁は、中国の犯罪組織が偽造に関与しているとみて、くわしく調べている。
(「イット!」12月5日放送より)