3年に一度、世界各国の15歳の学習到達度を測る、OECD=経済協力開発機構による調査結果が公表された。日本はOECD加盟国のうち数学と科学で1位となり、前回調査では11位だった読解力は2位と、大幅に上昇した。

学習到達度調査(PISA)は、約3年ごとに15歳を対象に行われるもので、今回公表されたのは、2022年に81の国や地域から約69万人が参加した調査の結果だ。日本からは全国の高校等から抽出された約6000人が参加した。

調査結果によると、日本は「数学的リテラシー」と「科学的リテラシー」の2分野でOECD加盟国(37カ国)のなかで1位となり、「読解力」では2位となった。前回調査では、「数学的リテラシー」は1位、「科学的リテラシー」は2位、「読解力」は11位だった。

全参加国の81カ国・地域で見ると、全3分野において、OECD非加盟国のシンガポールが1位で、日本は数学的リテラシーは5位、科学的リテラシーは2位、読解力は3位だった。

OECDの平均得点は長期的に右肩下がりが続いているが、日本は2018年の調査結果より得点が上昇している。文科省は「新型コロナによる休校期間が他国より短かったことや、コロナ禍でも子供たちが頑張って学びを続けた結果ではないか」と分析している。

日本は数学でトップレベルに位置しているが、「電化製品の週当たりの消費電力を計算する」といった「実生活での課題を、数学を使って解決する自信があるか」について問われた項目では、日本はOECD平均を大きく下回った。文科省は「教科書ばかりを解くよりは実生活で活かせる学びが望ましい」とし、授業の改善が求められている。

また今回の調査によると日本もOECDでも共通してSNSやゲームに費やす時間が1日3時間を超えると、得点も低下傾向にあることが明らかになった。

3部門の上位五カ国・地域は以下の通り

【数学的リテラシー】
1位 シンガポール
2位 マカオ
3位 台湾
4位 香港
5位 日本

【科学的リテラシー】
1位 シンガポール
2位 日本
3位 マカオ
4位 台湾
5位 韓国

【読解力】
1位 シンガポール
2位 アイルランド
3位 日本
4位 韓国
5位 台湾

フジテレビ
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社会部
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