師走を迎えるこの時期、乾燥した空気の影響で列島各地で火事が相次いでいる中、岐阜県内で前代未疑問の盗難事件が発生。

盗まれたのは、なんと消火栓のホースの先端部分だった。自治体の担当者は「もう機能しません。放水できません。これでは市民の安全を保てません」と怒りをあらわにした。

消火栓が使えない…“先端”だけ盗まれる

取材班が向かったのは、岐阜県中津川市。町には火事が発生した時のために消火栓が至るところに設置されている。その中を見てみると…。

取材ディレクター:
あ、ホースの先端部分がなくなっています。

この記事の画像(6枚)

なんと、消火用ホースの先端部分だけ盗まれる被害が相次いでいた。

取材ディレクター:
こちらも消火ホースの先端部分だけなくなっています。

市内で被害に遭った消火栓は137カ所にも上り、この付近ではほとんどの消火栓が使えない状態だと自治体の担当者は話す。

蛭川地区 第5区長 曽我勝さん:
これでは放水できない。夜は誰もいない。そういうところを(犯人は)狙っている。

18日、「消火栓ホースの先端がなくなっている」と近隣住民からの通報で事件が発覚した。

蛭川地区 第5区長 曽我勝さん:
――このまま放水しようとすると?
(ホースが)ぶれちゃって危ないです。(先端がないと)ホースが暴れちゃう。人がけがします

転売目的?「怒りしかないですね」

なぜ盗まれたのか。

「どこかで転売すると思います」
「どこかで転売すると思います」

蛭川地区 第5区長 曽我勝さん:
(ノズルは)真ちゅうでできている、値が良いんです。どこかで転売すると思います。

ホースの先端のノズルの重さは、約2キロ。1本あたりの価格は1万6000円で、被害総額は約220万円に上るという。

さらに、同様の被害が隣接する町でも起きていた。

21日、岐阜県白川町では、50カ所の消火栓でホースの先端だけが盗まれていることが発覚。約80万円の被害に遭っているという。

消火栓は、火事発生時の緊急時に使うものなので、鍵をかけるなどの対策もできないと怒りをあらわにした。

「怒りしかないですね。こういうことをする人間がいるのは情けない」
「怒りしかないですね。こういうことをする人間がいるのは情けない」

蛭川地区 第5区長 曽我勝さん:
憤りを感じます。怒りしかないですね。こういうことをする人間がいるのは情けない。

中津川市と白川町は警察に被害届を提出したという。
(「イット!」11月30日放送)