高く積み上げられた椅子。
その前で男性が手にしているのは、オレンジ色の煙が出る発煙筒。
ここは、バルカン半島の国アルバニアの国会。
一時は炎も上がった。
20日、アルバニア議会で、野党議員が発煙筒に火をつけるなどして、2024年度予算案の採決を妨害した。
アルバニア議会で繰り広げられた、驚きの抗議行動。
野党議員が発煙筒に火をつけ、一時、騒然となった。
バルカン半島の西側にあるアルバニア。
1991年まで、独自の鎖国政策をとる社会主義国だったため、経済が停滞し、ヨーロッパ最貧国の1つに数えられている。
そのアルバニア議会の20日の様子。
野党議員が、議場に椅子を積み上げたうえ、オレンジ色の煙が吹き出す発煙筒を手に抗議している。
その後も黄色、緑などの発煙筒が次々とたかれ、視界が曇るほど煙が充満。
書類に燃え移ったのか、一時は炎が上がり、あわてて消火に当たる場面も見られた。
国会議事堂の中で繰り広げられた、前代未聞の抗議。
なぜ野党側は怒りの煙を上げたのだろうか。
野党側は、与党による独裁主義が高まっているとして、首相や政府高官らの汚職について、調査委員会の設置を要求。
しかし、与党側はこの要求を拒否した。
与党は、この騒動の中、予算案の審議をわずか5分で終え、採決。
ラマ首相は採決後、右手でポーズを決め、議場をあとにした。