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ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、東洋エンジニアリングから1999年に分社独立した、ものづくり産業をビジネスドメインとしたITベンダーです。自社開発の「mcframe」シリーズを提供するパッケージベンダーという側面と、他社製品も含めたパッケージソフトウェアを組合わせたITソリューションを提供するSIベンダーの側面があります。自ら設立した海外拠点とパートナ企業が提供するグローバルネットワークにより、海外進出企業に寄り添った現地ITサービスを提供しています。現地ITサービスを提供することは、ものづくり産業を支える重要な使命であるとB-EN-Gは考えています。

このストーリーでは、B-EN-Gで海外プロモーションを担当する大西が、「mcframe」シリーズの1つである海外現地法人向けERPパッケージのあゆみについてお伝えします。

約30年の歴史がある「mcframe GA」。直近約5年で採用数は2倍以上に拡大

 海外へ事業展開している日本企業のための経営基盤として企画・開発された海外現地法人向けERPパッケージです。1995年に製品開発を開始し約30年の歴史を持つ「mcframe GA」(エムシーフレーム ジーエー)は、タイや中国といったアジア圏を中心として、33カ国1400社以上の導入実績(※2023年9月時点)があります。「日系企業の海外拠点」にフォーカスした製品として着実に実績を積み重ね、特にここ5、6年で採用数が2倍以上に拡大しています。

 この30年間、グローバル化の進展やIT技術の発展により常に変化してきた市場で、mcframe GAが顧客の課題や思いにどのように応えてきたのかをご紹介したいと思います。


国産グローバル対応ERPの誕生

 

mcframe GAの始まりは1995年に、日系IT系ベンダーにて、「A.S.I.A.」(エイジア)という製品が誕生したことがきっかけです。デファクト・スタンダードのもとで経営効率化を押し進めていた外資系ERP に対し、「A.S.I.A.」は、日本企業独自の商習慣を取り入れながら多言語・多通貨・多基準に対応したERPで、国産ERPでは適さないと言われていた海外展開のニーズに応えることで、日系企業の海外展開をサポートすることが目的でした。

 当時、プラザ合意後の急速な円高により、日本の製造業は中国をはじめとするアジア拠点での生産へシフトし始めていました。B-EN-Gは製造業に特化した自社製品の「mcframe」(エムシーフレーム)をベースにSCM構築を行っていましたが、日本の製造業のグローバル展開ニーズに対応するのに必要な会計機能を持っていませんでした。その解決策が、A.S.I.A.とのシステム連携でした。グローバルでのワンストップサービスとして提供することを視野に、B-EN-GはA.S.I.A.事業をM&Aにより統合し、後の「mcframe GA」となりました。

「2層ERP」による全体最適化を図る時代の到来

 外資系の大規模ERPをグループ全体で統一することが当たり前だったEPR市場に、大きな変化が訪れました。それは、2000年代後半から提唱されている2層ERPという考え方です。2層ERPとは、大規模な本社にコアERP(1層目)を保持しつつ、その他の拠点には柔軟性が高く、短期間かつ低コストで導入可能なERP(2層目)を採用することで、グローバル全体の最適を図るという考え方です。業務プロセスや商習慣が異なる複数の拠点に同一の大規模システムを導入するのは、業務効率化を下げてしまうだけではなく、コストメリットや現地でのサポートといった面から、実態に合わないという声が増えてきました。

 実はA.S.I.A.は以前から多くの海外現地法人の顧客との対話を通して、大規模ERPシステムだけでは比較的小規模な海外拠点向けにフィットせず、海外現法にはコンパクトな製品が必要であることに着目していました。海外現地法人向けに機能を限定した「A.S.I.A. Ver3」シリーズは、まさに2層ERPの2層目の考え方に合致した製品でした。ただ、今後も顧客にA.S.I.A.を使い続けていただくには技術的に古く、機能面にも問題がありました。そこで、当時の最新技術を採用し、中小規模の海外拠点に柔軟かつコンパクトにご利用いただくことを想定したWebアプリケーションとして、パッケージを刷新することに決めました。A.S.I.A.製品をもとに、「誰にでも分かりやすく」、「必要十分な機能」で、「低コスト短期導入」が可能というコンセプトで開発を行いました。こうして生まれたのがmcframe GAです。「2-Tier ERP」や「連邦型システム」といったワードでプロモーションを行いました。当時、漫画形式でのプロモーションが好評で、生産拠点を始めとする多くの海外拠点でmcframe GAを導入いただくことになりました。


<漫画:世界で闘う準備はあるか?>

2010年代後半からSaaSモデルが普及、UIの大幅な刷新へ

 2010年ごろから高速ネットワーク回線が普及し、それまでオンプレミスを軸にしていた外資系の大手ソフトベンダーが本格的にSaaS市場へシフトしていきました。それまでの、サーバーやソフトウェアを利用する企業が資産として所有するオンプレミス型は、システム構築に多くの費用がかかる上、運用保守やバージョンアップにも多額の費用が必要でした。SaaSモデルの拡大により、企業がクラウド上にあるソフトウェアへインターネット経由でアクセスするだけで、利用することができるようになりました。日本でも2010年代後半からSaaSモデルが普及し始めました。

 その頃、B-EN-Gでは多くの海外拠点にmcframe GAの導入支援を行っていましたが、システムだけでは解決できない現地課題も多くありました。そういった課題を抱える顧客に対して支援を行うことを目的とし、mcframe GAのSaaS版を開発し、コンサルティング等と共にサービス提供を行うことを計画しました。そこで新たに生まれたのが「GLASIAOUS(グラシアス)」というサービスです。mcframe GAのアプリケーションをグローバルの会計事務所へ提供し、会計事務所が記帳代行やコンサルティング等の自社サービスと組み合わせて、海外進出企業を支援するというものです。GL(会計元帳)+ASIA(アジア)+OUS(アウトソーシング)というメッセージを組み合わせ、「GLASIAOUS」という名称でサービスをスタートしたところ、そのサービスモデルに魅力に感じていただいたいくつかの会計事務所に採用していただきました。しかし、いざ運用を始めてみると「システムのUI(ユーザ・インターフェース)が古く、大量の記帳代行の基盤としては使いづらい」と会計事務所から指摘され、サービスの存続の危機に直面しました。「この先10年後もビジネスを続けていくにあったって、このUIでは限界が来た」と判断し、UIの刷新プロジェクトに大きく踏み出しました。


<UI刷新を担当したmcframe GA開発チーム>


顧客の海外現地スタッフが直観的に操作でき、シンプルで普遍的なUI/UXを目指し、グローバルで普及している有数の業務アプリケーションの特長を徹底的に調査・研究しました。世界トップシェアの会計ソフトのみならず、国内で普及率の高い会計ソフトも研究対象とし、画面構成や操作性における改良点をリストアップしました。またどのような工夫をすれば操作時にユーザがより良い体験ができるのか考えていきました。

 会計事務所のエンドユーザからリアルタイムでデータを見たいという部分だけ先に作ろうと決めて、2015年下期に会計4帳票だけ公開するところからスタートしました。すると「このテイストで早く入力部分を刷新してほしい」と要望があり、明らかに新UIの方が見た目も操作感も良いという反応がすぐに出てきました。機能的には新旧で大きな差は無いにも関わらずUI/UXが違うだけで明確な好印象が返って来たのです。このUI/UXの方向性は正しいと確信し、その後、会計の入力部分まで一気に開発対象を拡大しました。そして、2017年には新UIの会計版をリリースし、ようやく会計事務所の業務改善に貢献することができました。UI/UX刷新の反響は大きく、会計事務所の担当者からは「今使っているシステムより断然こっちの方がいい」と言っていただき、製品デモで褒められることが多くなり、販売数が右肩上がりに増えていきました。

 また、SaaSビジネスを継続していくためには、ユーザにとって価値のある魅力的な機能を定期的にアップデートしていく必要があります。特にサブスクリプション利用だと、製品が気に入らなければすぐに利用停止されてしまいます。そこで、顧客からの要望をVOC(Voice of customer)という形で集約し、リストの中から重要かつ優先度が高いものを標準機能として製品に取り込む仕組みを作り、ユーザのニーズを最大限に満たすように製品づくりに活かしていきました。顧客は個々の要望をあげることによって、無償で新機能が入るというメリットがあるため、多くの顧客がGLASIAOUS ブランドに愛着を持って使い続けてもらえるようになったと感じています。

「変化に強い」コンポーザブルERPへ。あらゆる機能のAPIを公開

 2層ERPの考え方がさらに発展し、2020年頃から注目されているのがコンポーザブルERPというコンセプトです。かつて、モノリシックERPと呼ばれる1つのパッケージにすべての業務を統合したシステムが普及した時代には、Fit&Gapの結果、アドオン開発することで業務と標準機能のGapを解消する手法が一般的でしたが、ブラックボックス化したアドオン機能は技術的負債と称され、社会問題にまで発展しました。コンポーザブルERPは、業務にFitするサービスやアプリケーションを選択し、API連携することにより構成されるため、複合型ERPにおけるプログラミングによるアドオン開発を最小化し、システムのブラックボックス化を防ぎ、変化に強く、持続性が高まるというメリットがあります。

 これまでも業務ごとにFitするシステムを採用しているケースは多いのですが、マニュアルでのCSVファイル連携を行っているケースがほとんどです。mcframe GAでは、あらゆる機能のAPIを公開することで、世界の様々なサービス同士を容易にかつリアルタイムに連携できるようになっています。


<mcframe GA開発チームにて日々新機能の開発や製品の改善を行っている>


mcframe GA / GLASIAOUSがめざすもの

 私たちはこれまで、日系企業の海外現地法人をターゲットとしてビジネスを拡大してきました。実は近年、外資系企業の日本法人でもmcframe GA / GLASIAOUSを数多く採用いただいています。海外拠点を持つ日系企業のお客様と対話する中で、多くのお客様が「多言語・多通貨・多基準への対応が必要」であり「本社からリアルタイムで複数の海外拠点をモニタリングし、ガバナンス強化を図りたい」という課題を抱えていることが分かっています。これらの課題は日系企業に限らず、非日系で海外展開を行っている企業も共通の課題を抱えていると感じています。今後はアジア、ヨーロッパ、アメリカなどに本社を構える非日系企業の海外展開も積極的にサポートしていく意向です。異なる市場への進出には、それぞれの国や文化、業種特有のニーズへの対応が不可欠です。B-EN-Gが今まで培ってきた各国の税制度や商習慣への知識や柔軟な対応力を活かし、今後も製品のアップデートを継続していきたいと考えています。また、海外企業とのパートナリングを重視し、現地法人と連携したカスタマーサポート体制を構築することで、お客様に対する価値を継続的に向上させて参ります。

 長期的な成長が見込める海外市場へ進出して現地でビジネスを行う企業が増えていますが、不安定な世界情勢の中でグローバルビジネスを円滑に遂行していくためには、変化に柔軟に対応できる経営基盤の存在が必要不可欠です。グローバル会計領域で30年以上の実績を持ち、多様な業務プロセスに柔軟に対応できる「mcframe GA」と会計事務所の記帳代行・コンサルティングサービスを組み合わせたSaaS版の「GLASIAOUS」を活用すれば、グローバルビジネス支援のさらなる拡大を図ることができると確信しています。B-EN-Gは、中国(上海)、タイ(バンコク)、シンガポール、インドネシア(ジャカルタ)、アメリカ(シカゴ)の5ヶ所に海外子会社を有し、海外進出企業に対しても、日本と現地でよりそいながら製品やサービスを提供し、お客様の経営課題を解決してきました。これからもグローバル進出日系企業をITの側面でよりそい続けることが、当社の存在意義と考えております。


<海外進出日系企業を支えるB-EN-Gの現法メンバー>


■mcframe GAについて

「mcframe GA」は、すべての海外拠点データを統合する海外進出企業のための会計/ERPクラウドシステムです。日本本社やグループ統括拠点から mcframe GA にアクセスすることで、海外拠点の財務・業務データ(財務諸表、キャッシュフロー、現預金、販売・購買・在庫データ、等)をリアルタイムに把握できます。ブラックボックスになりがちな海外拠点の経営状況をモニタリングし、業務不正リスクや経営リスクの早期発見やスピード感のあるグローバル経営判断を実現します。GLASIAOUS と合わせて、世界33の国と地域で 1,400 社以上にご利用いただいています。

詳細は https://www.mcframe.com/ をご覧ください。




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