千葉・木更津市の海岸でワタリガニの“密漁”が問題になっている。追跡取材すると、なぜこの海岸が狙われたのかが見えてきた。

木更津市の海岸でワタリガニの“密漁”が問題に

蒸してもよし。タレに漬け込んでもよし。
店で買うと1匹1000円は超える、今が旬のワタリガニ。

木更津市の海岸で取れるワタリガニをめぐってある問題が…
木更津市の海岸で取れるワタリガニをめぐってある問題が…
この記事の画像(12枚)

木更津市の直売所にも、地元で取れた新鮮なものがずらりと並んでいる。

しかし、このワタリガニをめぐって、ある問題が…。

木更津産のワタリガニを無断で捕る人物があとを絶たないという
木更津産のワタリガニを無断で捕る人物があとを絶たないという

うお屋・板倉朋子さん:
ワタリガニとか少なくなっているので、それを取られちゃうと…。

木更津産のワタリガニを無断で取る人物があとを絶たないという。

暗闇を照らす1つの光が海岸に

10月24日、番組取材班が木更津の海岸を訪れると、海面が高く中に入ることはできなかった。しかし潮が引いた午後8時ごろ、真っ暗になった海岸に暗闇を照らす1つの光が…。

真っ暗になった海岸に暗闇を照らす1つの光が…
真っ暗になった海岸に暗闇を照らす1つの光が…

ディレクター:
水面にライトを照らして網を持って歩いている男性がいます。何か取っているのでしょうか。網の中に何か入っています。

ヘッドライトを装着し、水面を照らしながら歩いている人。手には網のようなものを持っているのが確認できる。

いったい何をしているのか直撃した。

ディレクター:
何か取ってらっしゃいますか?

男性:
カニです。

ディレクター:
国籍はどちらですか?

男性:
中国です。

カニを取っていたと話すのは、千葉県内に住むという在日中国人の男性。

網の中には大量のワタリガニが
網の中には大量のワタリガニが

網の中を見ると、そこには大量のワタリガニが入っていた。

「ハマグリはダメでもカニなら密漁にならない」と驚きの言い訳

男性:
20匹ぐらい。自分で食べます。

この海岸は本来、漁業権を持っている人しか入れない場所。

中国語でも「許可なく海に入ってはいけない」と警告
中国語でも「許可なく海に入ってはいけない」と警告

中国語でもしっかり、「許可なく海に入ってはいけない」と張り紙で警告している。

取材班が男性に密漁行為となるため、やめるよう伝えると、驚きの言い訳が返ってきた。

驚きの言い訳が…
驚きの言い訳が…

男性:
でも、ハマグリだけダメじゃないですか。カニだと聞いたことないです。
ハマグリだといっぱい聞いたことあるので。

ハマグリはダメでもカニなら密漁にならない」と言うが、もちろんそんなことはない。

SNSで中国人に情報広まる

実は、この木更津市でのワタリガニの密漁は、中国人の間で広まっていると、地元の漁業組合は話す。

地元漁業組合は密漁が中国人の間で広まっていると話す
地元漁業組合は密漁が中国人の間で広まっていると話す

金田漁業協同組合・組合長 高橋敏夫さん:
大量の中国の方が押し寄せたときに問い詰めたら、SNSでカニが取れると。そういう情報を見て、目的地まで来るのに地図があるんですよ。

中国のSNSに情報が…
中国のSNSに情報が…

中国のSNSには、「木更津に行って大量のワタリガニが取れる」、「夜は誰もいないが違法のリスクがある」などと伝える投稿があった。

密漁をしていた男性も「(ここは)友達から聞いたんです」と語っていた。

“密漁者”はカニをそのまま持ち去った
“密漁者”はカニをそのまま持ち去った

中国人の間で広まる密漁の情報。その後、男性はこの場所にはもう来ないというものの、カニはそのまま持ち去ってしまった。
(「イット!」10月25日放送より)