網を手に木の上をじっと見つめる、動物園の職員たち。視線の先にいたのは、園の檻から脱走したチンパンジー。

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逃げたのは、大阪市・天王寺動物園で飼育されているメスのチンパンジー「レモン」、19歳。

枝に腰掛け、木を揺らしながら、時折立ち上がり、体を大きく動かすなどして、下から見上げる園の職員らを威嚇しているように見える。

職員らがチンパンジー発見…麻酔銃を命中

どのような心理状態なのだろうか?専門家に話を聞くと…

アジア動物医療研究センター パンク町田センター長
アジア動物医療研究センター パンク町田センター長

アジア動物医療研究センター パンク町田センター長:
おそらく表に出て、不安なんです。自分のテリトリーじゃないので、ちょっと気が立っていると思います。威嚇です。そばに来るなよって言っています

チンパンジー脱走を知らせたのは、17日午前10時20分ごろ。「チンパンジーが1匹、檻から逃げました」「園の外には出ていません」という、動物園からあった110番通報だった。

消防によると、脱走したチンパンジーに40代の男性獣医師が顔をかまれてケガをした。
その後、職員らが園内を捜索したところ、木に登っているチンパンジーを見つけ、麻酔銃を命中させたという。

そして、麻酔銃が命中してから約2時間が過ぎた午後0時50分ごろ。チンパンジーの様子に変化が現れ始めた。麻酔が効いてきたのだろうか、チンパンジーが木の上でぐったりとしている。

さらに40分後の午後1時半すぎ、ついに動きがあった。木の上からチンパンジーが落下し、下で待機していた職員らによって捕獲された。

動物園は、チンパンジーの健康状態に問題がないか確認している。

2007年にも脱走する騒ぎ

脱走当時、動物園は営業していたが、急遽臨時休園とすることを決定した。

動物園を訪れていた家族連れは、「せっかく来たのになって感じ」「誰かがケガするよりかは、ちゃんと捕獲して、安全に再開してくれれば、それが一番いいのかなと思います」などと話し、がっくりした様子を見せた。

天王寺動物園では、2007年にも、チンパンジーが檻から、脱走する騒ぎが起きている。

今回、なぜチンパンジーのレモンが、檻から脱走したのか…詳しい経緯は、わかっていない。
(「イット!」10月17日放送より)

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