野生動物の多くが「百獣の王」ライオンよりも人間を恐れていることが、最新の研究で明らかになった。
アメリカの科学誌「カレントバイオロジー」は、ライオンの生息地である南アフリカの国立公園で行われた研究結果を発表した。
それによると、水飲み場にいるゾウ、サイ、キリンなどの野生動物に録音した人間の声を聞かせたところ、ライオンの鳴き声やうなり声に比べて、逃げ出す確率は2倍高かったという。
また、逃げるスピードも人間の声を聞かせると40%速かったという。
担当者は「人間は銃などで多くの動物を殺してきたため、野生動物はライオンよりも人間を恐れるようになったのだろう」とした上で、「人間が野生動物に与える恐怖を取り除くための対策が必要だ」と訴えている。