9月28日、取材班が向かったのは、東京都足立区にある荒川の河川敷。住民が散歩でも訪れるこの場所に、狩猟用のワナ「トラバサミ」が仕掛けられていたのだ。

26日夕方、トラバサミに猫が挟まれているのを男性が目撃した。

パイナップルが真っ二つに…トラバサミの威力

「これは大変なことになったと…」猫の鳴き声を聞き、近づいたという
「これは大変なことになったと…」猫の鳴き声を聞き、近づいたという
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第一発見者の男性:
ニャーオニャーオと声がして、何かなと思って近寄ったら、見たこともない器具に挟まっているのが見えて。これは大変なことになったと…。

猫が足を挟まれていたトラバサミは鉄製で、直径は10cmを超えるものだった。

猫が足を挟まれていたトラバサミは鉄製で、直径は10cm超だった
猫が足を挟まれていたトラバサミは鉄製で、直径は10cm超だった

トラバサミは、ワナの中央部に獲物の足が乗ると、バネの仕掛けにより鋭い刃が首や脚を挟み込んで捕まえるもの。

海外でYouTubeに投稿された映像を見ると、大型のトラバサミに挟まれたパイナップルが、いとも簡単に真っ二つとなってしまった。大きな骨も、ギザギザの刃が硬い骨に食い込み、外れなくなってしまった。

荒川河川敷でワナにかかった猫の足からは血が出ていたという。

発見されたトラバサミは“大型獣用”か

第一発見者の男性:
とにかく(トラバサミが)どういう仕組みか分からないから、グーとやっても、ちょっとやそっとで開かないんですよね。どんどん力を振り絞って、グーーーってしたら、やっと外れた。

トラバサミを外すと、猫は逃げていった
トラバサミを外すと、猫は逃げていった

男性がワナを外すと猫は逃げていった。トラバサミが発見された場所は、地元の人も散歩などでよく通る道のすぐそばだった。

トラバサミは、挟まれると命にかかわる危険があるため、鳥獣保護管理法で使用が原則禁止されている(一部特例除く)。

もし、子どもが挟まれたら最悪の場合、足を切断する恐れもある。今のところ、荒川の河川敷で発見されたのは1つだけだが、ボランティア団体は他にも置かれていないか捜索に乗り出すなど、地元では緊張が高まっている。

ボランティア団体が、他にも置かれていないか捜索
ボランティア団体が、他にも置かれていないか捜索

地元住民は「(子どもが何も)ないと思って草むらを散歩していて、それに引っかかってケガしたら怖い」「そもそも、なんで仕掛けるのか分からない」と話す。

荒川の河川敷に一体誰がトラバサミを仕掛けたのか。

農林水産省の鳥獣被害対策アドバイザーを務める和田氏。「このタイプのものは初めて見ました」と話す。
農林水産省の鳥獣被害対策アドバイザーを務める和田氏。「このタイプのものは初めて見ました」と話す。

農林水産省の鳥獣被害対策アドバイザーを務め、野生鳥獣に詳しい和田三生氏に今回のトラバサミを見てもらうと、「このタイプのものは初めて見ました。大型獣用に作られているのではないか」ということだ。

足立区は、トラバサミを見つけても触らないように注意を呼びかけている。
(「イット!」9月28日放送)

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