元参議院議員のガーシーこと東谷義和被告(51)の初公判が19日午後、東京地裁で開かれる。ガーシー被告は6月、滞在先のアラブ首長国連邦で身柄を拘束され、帰国後に逮捕された。
起訴された罪は、俳優の綾野剛さんら3人に対して脅迫を繰り返した「常習的脅迫」、刑事告訴の取り下げを迫った「証人威迫」、さらに「威力業務妨害」「名誉毀損」「強要」の5つに上る。

暴露系YouTuberから国会議員となり、国会への欠席を続けた結果、72年ぶりの「除名」で議員資格を失い、ついには逮捕・起訴されるという特異な歩みを見せてきたガーシー被告。

その裁判の争点は、「常習性」が認定されるのかどうかだ。

関係者によると、ガーシー被告は「証人威迫」「威力業務妨害」「名誉毀損」「強要」については、大筋で認める方針だという。
ただ「常習的脅迫」については、脅迫行為自体は認めつつ、常習性は否定する意思を周囲に示していることが分かった。

ややわかりにくいが、「常習的脅迫」と「脅迫」は別の罪だ。

脅迫罪とは、刑法222条に定められた罪。条文には「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」と記されている。

一方、「常習的脅迫」は、暴力行為等処罰法違反の1条3項に定められている。1926年に定められた法律で、条文はカタカナで記されているが、ひらがなで平易に記すと「常習として刑法222条(※脅迫罪)の罪を犯したる者は、3カ月以上5年未満の懲役に処す」とある。

量刑を比べれば一目瞭然だが、「常習的脅迫」には罰金刑がなく、罪が重いのだ。

ガーシー被告は、自身が出演するYouTubeの配信動画などで3人を脅迫したとして起訴されており、動画という証拠はある意味オープンになっている。またこうした動画配信と切り抜き動画で1億数千万円の収入を得ていた事が、関係者への取材で明らかになっている。

ガーシー被告側は前述の通り、「脅迫はしたが、常習的ではない」と主張する見通しだ。
検察側は証拠を示しながら、どうやって常習性を立証していくのか、裁判所が常習性を認定するかどうかが裁判の最大の争点になりそうだ。

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プライムオンライン編集部
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