グルメやエステ目当ての大勢の日本人旅行者でにぎわう韓国が今、異常ともいえる事態の真っ只中にある。

ソウルの街に警察の装甲車が…
ソウルの街に警察の装甲車が…
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SNSに“殺害予告”相次ぐ

ソウルの街中に出動した警察の装甲車。中からは武装した警察官が出てきて、物々しい雰囲気が漂う。

装甲車から出てきた武装した警察官
装甲車から出てきた武装した警察官

警察当局による異例の警戒態勢。その理由は、今、韓国のSNSで相次いでいる殺害などをにおわす書き込みだという。

SNSに投稿された“殺害予告”
SNSに投稿された“殺害予告”

SNSには、「きょう午後7時に江南駅で100人」と、市内の駅で100人を殺害すると予告する投稿や、「お昼時間に学生全員を」という文言とともに、恐怖心をあおるためか刃物の写真が投稿されているものもあった。

こうした殺害予告の投稿が相次ぐ背景にあるのが、2023年7月から8月にかけ立て続けに起きた、市民が刃物で無差別に襲われる事件だ。それらの事件の後、ネット上で殺人予告の投稿が相次ぐ事態となった。

警察は殺害予告があった現場をはじめ、全国547箇所に武装した警察官を配置するなど、警戒レベルを上げている。

駅の地下街をパトロールする警察官。背中には「警察特攻隊」の文字が書かれていた。
駅の地下街をパトロールする警察官。背中には「警察特攻隊」の文字が書かれていた。

駅の地下街をパトロールしていた警察官の背中には、「警察特攻隊」の文字が書かれていた。対テロ任務などにあたる韓国警察の特殊部隊だ。

ソウル市民は、「いつになれば人々が安心して街に出られるのか心配」「両耳にイヤホンをつけていましたが、片方だけにするとか、歩きながら時々後ろを振り返ったりしている」などと話す。

2週間で54人検挙 大半が悪ふざけの書き込み

こうした中、高い関心を集めているのが、殺害予告があった場所をネットで確認できるサイトだ。

殺害予告があった場所を確認できるサイト
殺害予告があった場所を確認できるサイト

「予告 江南駅5番出口 刃物切りつけ」と、殺害予告の場所がひと目で分かる仕組みになっている。

韓国メディアは一連の殺害予告で、検挙者が相次いでいると伝えていて、MBCは「この2週間、ネット上で殺人予告文を載せ検挙されたのは54人に上っている」と報じた。韓国メディアによると、特定された人物の半数以上が10代で、大半が悪ふざけの書き込みだという。

現地の日本人旅行者からは「怖いから行くのをやめたらと(母親から)言われた」「なんかあったら、もうとにかく逃げようと思った」といった声が聞かれた。

殺害予告への不安と戸惑いは、日本人観光客にも広がっている。

(「イット!」8月9日放送より)

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