6月22日午後1時すぎ、香川県警の高松南署から検察庁に向かった大型の車。

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そのカーテンの奥に乗っていたのは、生後2カ月ほどの赤ちゃんに対する傷害の容疑で逮捕された三好貴子容疑者(37)。

警察によると三好容疑者は、2022年7月ごろから8月ごろまでの間、当時住んでいた香川県坂出市の自宅で、授乳用の粉ミルクに劇物指定されている酢酸鉛を混入。

それを親族である女の赤ちゃんに、事情を知らない母親などを介して飲ませ、全治不明の鉛中毒などの傷害を負わせた疑いが持たれている。

酢酸鉛の混入は、赤ちゃんの母親が粉ミルクの缶の中に異物があることに気づき、製造会社に送ったことで明らかになった。

劇物の酢酸鉛とは…水に溶けると“甘み”

酢酸鉛とは、どういった物質なのか?

薬品に詳しい法科学研究センターの雨宮正欣所長は、次のように説明する。

法科学研究センター 雨宮正欣所長:
酢酸鉛というのは、今では工業原料とかにしか使われてないんですけど、以前は甘味料として使われていたという歴史もあります

比較的水に溶けやすく、溶けると甘味が出るため、赤ちゃんが口に含んでも吐き出しにくいといいう。

酢酸鉛を摂取した赤ちゃんは、鉛中毒などに陥った。

法科学研究センター 雨宮正欣所長:
消化器系の障害として、おう吐だったり腹痛神経系としては立てなくなったり、力が入らなくなってしまう

赤ちゃんが摂取した場合、毒性が大人の約5倍に高まるおそれがあり、より危険だという。

幼稚園児くらいの子供がいて男性と3人暮らし

三好容疑者の印象について、付近の住民からは次のような声が聞かれた。

近隣住民:
子どもの送り迎えとかで一緒になるんですけど、優しい感じの、人見知りなのかなって感じがして、きれいな方で優しそうだなってイメージ

近隣住民:
優しそうで、いつも(家に)電気がついていないので、いるのかあまりわからないですけど、雰囲気は清潔できれいな人

優しそうな人物に映っていた三好容疑者。近所の人によると、幼稚園児くらいの子供がいて、男性と3人で暮らしていたという。

警察の調べに三好容疑者は「間違いありません」と容疑を認めた上で、こう供述しているという。

「酢酸鉛は作り方をネットで調べて、材料を購入し自分で作った」

なぜ親族の赤ちゃんに酢酸鉛を飲ませたのか?

警察は酢酸鉛が混ぜられた粉ミルクを押収していて、犯行の動機などを調べている。

(「イット!」6月22日放送より)