本物そっくりの警察手帳を使い、家の中でも制服姿…。警察のキャリア官僚になりすまし、結婚を約束して女性から金をだましとった罪などに問われている、吉川剛司被告(36)の初公判が5月23日、大阪地裁で開かれた。

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裁判を傍聴していた被害女性は…。

被害女性:
どこが好きやったんやろうなっていうのが一番ですし、すごい不快だったし。今日の話聞くとむちゃくちゃですし。本当に悔しいと。

結婚を約束した女性に、吉川被告が隠していた“裏の顔”が法廷で明らかになった。

警察官を演じ、4年にわたり被害女性をだました

服装や持ち物、そして普段の会話に至るまで警察官を演じきっていた吉川被告。

4年ものあいだ、プロポーズした大阪出身の女性に本物の警察官だと信じ込ませていた。

【SNSでのやりとり】
吉川被告:
捜査会議張り切りすぎて早く着きすぎた
被害女性:
はやー!めっちゃ気合入ってるやん笑

エプロン姿で料理を作るときですら、警察の制服を着用していた吉川被告。しかし、実際の職業はトラック運転手で既に結婚していたことが、後に判明したのだ。被害女性は、吉川被告から“警察の中で左遷され 懲罰をくらった”などと、繰り返しうその話をされ、現金約280万円を被告に渡したという。

女性はその後、被害届を警察に提出。吉川被告はその内の約190万円をだまし取ったとして、2023年3月に逮捕され、その後起訴されている。

消費者金融で借金、マッチングアプリで妊娠…裏の顔が明らかに

23日の初公判。吉川被告は、被害女性の前で着ていた警察官の制服姿ではなく、黒のスーツ姿で現れた。

起訴事実について問われると、「間違いありません」と述べて、起訴事実を全て認めた。弁護士の隣に座っていた吉川被告は、書面に目を落としながら、時折傍聴席の方を気にする様子も見られた。

23日の後半、吉川被告が被害女性に“金の無心”をした背景も明らかになった。検察の冒頭陳述によると、吉川被告は消費者金融に借金があったという。それだけではなく、マッチングアプリで知り合った別の女性を妊娠させたとして、中絶費用や慰謝料など100万円あまりを請求されていた。

被害女性「しかるべき裁きを」

この初公判を傍聴していた被害女性は、過去に思い当たる節があったと話す。

被害女性:
中絶の話も当時、俺の友達がみたいな話を私にしてきていて、点と点が結びついたみたいな感じですね。

そして吉川被告に今言いたいことを問われると…。

被害女性:
確かにあの人とこの将来を生きていこうと思っていたので、その将来についてはなくなった。私とあいつの間で起きたことはちゃんと償ってほしいと思っているので。しかるべき裁きを受けてほしいと思っています。

次回の公判は、7月4日に開かれる予定だ。

(「イット!」5月23日放送より)