7日、多くの人が行き交う東京・銀座の高級腕時計「ロレックス」の専門店に仮面をかぶった男が押し入った強盗事件。

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「めざまし8」が新たに入手した、逃走する男らの映像から、場当たり的な犯行の実態が見えてきました。

全力疾走で逃げる男ら…仮面を置き去りに

白い車から飛び降りて、細い路地を全力疾走する4人の男。

その約10秒後、車の奥から現れたのは、2人の警察官です。

周囲を見回しながら、男たちの後を追います。

逃げていく男たちの映像をもう一度よく見ると、車から飛び降りた際、1人が中腰になりながら、靴を履き直すような動きしています。

他の男たちは一瞬、後ろを振り返ったあと、一目散に走って逃げ、靴を履き直していた男も慌てて後を追います。

残された車はドアが開け放たれたまま。
周囲には白い物が散乱し、男たちがかなり急いでいたことが分かります。

4人のうち3人は、黒の目出し帽姿。

もう1人は、黒の野球帽に白のマスクをつけているように見えます。

銀座の店舗を襲撃した際、「白い仮面」をつけていた男たち。

しかし、逃走の際は黒い目出し帽をかぶっており、白い仮面は車のすぐ脇に捨てられていました。

車のそばに捨てられた仮面
車のそばに捨てられた仮面

車から走って逃げ出す男たち、3人目は黒いかばんを持っていることが分かります。

店を襲った際、男らは少なくとも2つのカバンを持って逃走を図っていましたが、これまでに押収されているのは、逃走車両の近くで発見されたという黒いカバン1つのみ。

中には、盗んだとみられる腕時計、約30点が入っていました。
盗まれた100点以上の時計の内、まだ70点以上が見つかっていません。

映像から専門家が読み解く「3つ」の点

元埼玉県警刑事の佐々木成三氏は、男らの逃走する映像から、3つの点を指摘します。

まず一つ目は、「ずさんな逃走ルート」
逃走車両が乗り捨てられていたのは、東京・赤坂の住宅街で行き止まりになった細い路地。

目撃者によると、車は60から70km/hのスピードで路地に突っ込み、バックしようとして車の後部をぶつけていたといいます。

元埼玉県警刑事 佐々木成三氏:
これは焦っていると思いますね。車も後ろのバンパーが外れていたりしますから、何度が進路を変えようとしているそぶりは見られます。
土地勘がない、行き当たりばったりに逃げているという感じですね。計画性がないと思います。

二つ目は、「協力者の存在」です。

細い路地に行き詰まった車を捨て、走って逃げようとした4人の男。
佐々木氏が注目したのは、男らの身なりです。

元埼玉県警刑事 佐々木成三氏:
ちょっとビックリしたのが覆面、目出し帽、これを持ってたんだっていうのにビックリしましたね。目出し帽を持ってるのに仮面をかぶったんだと。

さらに、車のすぐそばに捨てられていた仮面にも注目。

元埼玉県警刑事 佐々木成三氏:
本来、逃げる時に仮面を置いていくっていうのは、考えられないので。自分たちのDNAがついていますから。

その上で佐々木さんは、男らの犯行に協力した第三者の存在を指摘します。

元埼玉県警刑事 佐々木成三氏:
自分たちが持って逃げているってことは、自分たちの物だと思うんです、目出し帽は。
仮面を置いていっているというのは、自分たちで用意した物ではない可能性がある。
だからバールとかナイフ、仮面、そういった物を用意した人物は誰なのか。もしかすると逃げている人物の可能性もゼロじゃないと思いますので。

三つ目は、「もう1つのかばんの行方」です。

男らが強盗後に持っていた少なくとも2つのかばんのうち、1つはいまだ見つかっていません。

元埼玉県警刑事 佐々木成三氏:
誰かに渡した。もしくは1人の共犯が持って逃げたということは考えられます。
車に乗っていた可能性もゼロではないし、受け渡した可能性もあるので。
少なくとも5人いるということは捜査していると思います。
70本の腕時計を車から降ろしたのか、渡したのか、そこまでは指示役の指示はあったと思います。それ以降は全く考えてないと思います。

逮捕された4人は、警察の調べに対し、お互いのことを「知り合いではない」といった趣旨の供述をしているということです。

しかし、佐々木氏はこの供述についても疑問を抱いているといいます。

元埼玉県警刑事 佐々木成三氏:
もしかしたら顔見知りの可能性もあるんじゃないかなと。4人が同じ方向に逃げてるので、一人一人が関係性がないのであれば、それぞれバラバラに逃げてもいいと思うんですよ。

(めざまし8 5月10日放送)