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「かけ子。日本の特殊犯罪詐欺の手助けをしています。月いくらもらってるか?300万~500万ざらです。一週間ですよ、お給料。人生狂ってるんです」

「めざまし8」の取材に対して、法外な報酬額について、赤裸々に話す男。
2月上旬、偽造免許証を所持した疑いでフィリピン警察に逮捕された、西尾嘉之容疑者(59)です。

日本中を不安に陥れた、広域強盗事件の指示役とみられる4人の容疑者。そのグループの一連の特殊詐欺事件で、西尾容疑者は電話役の“かけ子”だったとみられています。

「めざまし8」は2月、フィリピンで、西尾容疑者との面会を特別に許され、取材。
3時間53分に及ぶインタビューで明かしたのは、内部の人間しか知り得ない特殊詐欺グループの異様な実態でした。

「逃げる自信あります」借金返済のためのはずが…

リラックスした様子でカメラの前に現れた、西尾容疑者。

取材したのは2月9日。奇しくもこの日は、渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者がフィリピンから強制送還され、日本に到着した日でした。

ーー自白は考えていないのか?
西尾容疑者:
59ですよ。これで実刑くらったら、いくつになります?逃げる自信ありますよ。

西尾容疑者は、全国で相次いだ広域強盗事件については、今村磨人容疑者の発案だといいます。

西尾容疑者:
今の押し込み強盗でやってますよね。強盗。あれは主犯格は絶対に磨人(今村容疑者)です。あういう発案やったり、たたき(強盗)に近いことを、もともとやってたのが磨人。

約5、6年前に、渡辺容疑者らの詐欺グループと関わりを持つようになったという西尾容疑者。

ーー良心がとがめることなどはあるのか?  
西尾容疑者:
きっかけは、(会社が)傾いて借金500万円ぐらい、そのお金を払うために泣く泣くこの世界に入って、手っ取り早く500万円ためなということで、2週間で500万稼ぎました。
(借金を返し終わって)その後はもう惰性です。とりあえず第一の目標、迷惑かけて、僕を信じてついてきてくれた子らに、お金を払ってあげなあかんから。あとは惰性でやってもうたって言うしかない。

自身が経営していた建設会社で負債を抱え、返済に困窮。
SNSで闇バイトの存在を知り、わずか2週間で500万円を稼ぐと、その後、フィリピンに渡り“かけ子”として詐欺グループに在籍。最近は“運び屋”をしていたといいます。

西尾容疑者:
お金運んでくれ、持っていってくれ、荷物が届いたら、それを受け取ってきて。
一番危ないよね。何あるかわからない。だから、(組織から)家賃はだしますよ、生活費だしだしますよ、お小遣いあげますよ。家賃も電気代も全部、すべて持ってくれる。

強制送還された指示役とみられる4人からも信頼されていたという、西尾容疑者。
詐欺グループの1人で、現在、身柄を拘束されている山田李沙容疑者についても、こう話します。

西尾容疑者:
貪欲というか…お金に対しての執着心は、かなりあったと思う。
一日で多い時、楽に1000万いくときありました。もっとすごい人はいましたけど。(山田容疑者は)トータルベストファイブには入ると思う。

20代が“違法な金”でポルシェ…「人生狂ってる」

そんな詐欺グループが違法に集めた金銭事情は、驚くべきものでした。

西尾容疑者:
月いくらもらってるか?300万~500万ざらです。一週間ですよ。お給料。多いやつで(月に)1000万以上。23とか5の人間がこっちきて人生狂ってるんです。なんでか知ってます?
そういう違法なお金もらって、22、3の子がですよ、ポルシェのカイエン乗ってる。

若くして数百万円以上のお金が手元に入るという、異常な環境。

警視庁は、西尾容疑者が特殊詐欺事件に関与したとして窃盗容疑で逮捕状をとっており、西尾容疑者を含む“かけ子”役3人の身柄の引き渡しを求めています。

西尾容疑者:
今後は多分ね、変わっていくと思います。
少人数、シャブ(覚醒剤)とかの売買とか、そういう密売に変わっていくんじゃないかなっていうふうには思います。(強盗より)実入り多いでしょ、そっちの方が、少人数で。

「身勝手すぎる」借金のために犯罪に手を染めたという容疑者に対して怒り

借金返済のために「泣く泣く」犯罪に手を染めたと主張する西尾容疑者に対し、めざまし8の総合解説を務める橋下徹弁護士は、怒りをあらわにします。

橋下徹弁護士:
身勝手すぎますよ。自分の信頼している人にお金を返すために、全く無関係な人に犠牲を負わすというか、被害に遭わせるワケですから、身勝手すぎますよね。
なんとか引き渡しで、日本において厳罰に処してもらいたいですね。

(めざまし8 3月6日放送)