総額約4億円をだまし取ったとみられる詐欺グループ。その主犯格の男が、8月8日午前10時前、拠点としていたアフリカのガーナから日本に移送された。

年収1500万円超と伝え、愛をささやく

関西空港到着後に詐欺の疑いで逮捕された森川光容疑者(58)。森川容疑者らによるとみられる国際ロマンス詐欺とは、どのような手口で行われるのか。

この記事の画像(11枚)

まず、外国人を名乗る人物が、SNSやマッチングアプリなどを通じて知り合った相手に交際を持ちかける。

その“外国人”の多くは高収入や容姿端麗を装い、相手に恋愛感情を抱かせる。その心につけ込み、様々な理由をつけては送金を要求し、金をだまし取るのだ。

森川容疑者は外国人女性になりすまし、男性2人から合わせて150万円をだまし取った疑いで国際手配されていた。FNNは、こうした国際ロマンス詐欺の被害に遭った女性に話を聞くことができた。

東京在住のシングルマザーのAさん(44)は、マッチングアプリを通じてアメリカ人の「ウォード」を名乗る人物と出会った。

アプリ上で優しげな笑顔を見せるウォード。自分は国際弁護士で、年収は1500万円を超えるとAさんに告げたという。

連日メッセージをやり取りするうち、Aさんはウォードへの思いを募らせていった。

Aさん:
愛してるよって毎晩毎晩言ってきますし、本当の恋人同士のような会話は日常だったので。

「すぐに返すから」立て替え名目で送金要求

その一方、Aさん宛のプレゼントにかかる関税や証明書の発行料の立て替え名目で、ウォードは度々、Aさんに送金を要求。

“ウォード”を名乗る人物:
1週間くらいですぐに返すから、立て替えてくれないか?

詐欺とは思わず、送金を重ねたAさん。気づけば400万円あった貯金をつぎ込み、さらに200万円を消費者金融から借り、合わせて600万円をだまし取られた。

「さすがにおかしい」と感じ始めたAさんが問い詰めると、相手は自らの正体をこう明かしたという。

“ウォード”を名乗る人物:
申し訳ない。僕はアメリカ人でもなくガーナ人です。詐欺グループの一人で、自分はただただ上の指示通りにメッセージを送っていただけなんだ。

そして、こうした実行役らに指示を出していたとみられるのが、森川容疑者だったのだ。

警察の調べに対し、森川容疑者は「ガーナ人らの指示で金を回収しただけで、詐欺はやっていない」と容疑を否認している。

(「イット!」8月8日放送)