7日28日までに、3日連続で2万人を超える感染が確認された大阪府。病床はひっ迫し、第7波に入ってからの1カ月弱で、高齢者施設でのクラスターは100件を超えているといいます。
大阪の医療現場で何が起こっているのか、取材しました。

1人の医師で70人の患者を診ることも…疲弊する医療関係者

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約15人の患者が屋外で待っていたのは、大阪市内の発熱外来があるクリニック。建物の外周まで、ズラリと列が続いています。第7波に入ってから、予約や問い合わせの電話が1日100件以上にのぼるといいます。

クリニックを訪れた20代の女性患者は、のどに痛みの症状が…

医師:
会社とかでは(コロナ陽性者は)出ていないですか?
20代女性患者:
出ています。上司からもらってきたみたい。みんな休んでます

こうした、熱、せき、のどの痛みを訴える患者が後を絶ちません。

上本町わたなべクリニック・渡邊章範 院長:
今日は70人くらいですかね。一人の医者が診ていますので、かなりしんどいです。1カ月前と比べると10倍くらいですかね。
スタッフは3週間くらいでかなり疲労してまして、どこまで続けられるのかなというのが正直なところです。スタッフの心も折れそうになるというか…

ひっ迫する大阪の医療現場。さらに、高齢者施設ではクラスターが続発していました。

高齢者施設でクラスター 職員も全員感染し“陽陽介護”の非常事態

めざまし8は、実際に、クラスターが起きた施設内を撮影した映像を入手しました。

保健所からの要請で医師が訪れたのは、とあるグループホーム。職員が、「コロナに感染した方は隔離しています」と医師に説明しています。

クリニックスタッフ:
どんな感じですか?みなさん。
施設職員:
ちょっとぐったりされてる
クリニックスタッフ:
せきも結構でてます?
施設職員:
そうですね、この方が一番せきでて、のど痛いって言われていて

このグループホームでは、入居者9人のうち、7人の感染を確認。医師が入居者の肺の状態を調べるために、エックス線検査を行おうとしますが、痛みで触れられることを嫌がり、怖がるような様子を見せる利用者もいます。

医師:
ちょっと大変やな
施設職員:
そうですね
施設職員:
泊まり込みで、(職員は)そこのベッドで休んでいるみたいで

実はこの施設では、職員も全員が感染。やむを得ず陽性の職員が泊まり込み、陽性の利用者を介護する、いわゆる“陽陽介護”という非常事態になっていました。

水野クリニック・水野宅郎 院長:
「ウソやろ」っていうのが出た言葉で。どう運営していくかっていうので頭の中真っ白になった感じですね

こうした状況に立ち会うこともある医師。高齢者施設の現状についてこう指摘しました。

水野クリニック・水野宅郎 院長:
大阪は、5波6波の経験があるので、比較的早期に介入はできているかなと思います。クラスターが起こっても重症化する人の数は比較的少なくなってきています。その分職員さんたちのしんどさはあるかなと思います。

(めざまし8 7月29日放送)