新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府は16日、国民1人当たり一律10万円の現金給付の方針を決めた。

アメリカではすでに緊急経済対策の一環として現金の給付が始まっている。その額は大人1人につき最大1200ドル(約13万円)、子供にも500ドル(約5万5000円)が支給される。トランプ大統領が新型コロナウイルスに対処する2兆ドル(約220兆円)の大型経済対策法案に署名したのは3月27日だ。4月中旬には給付が始まっていることを考えると、対応は日本と比べるとスピーディだ。また、予算額も各国と比較してケタ違いに大きい。

各国の新型コロナウイルス経済対策

アメリカ 2兆ドル(約220兆円)
イギリス 3500億ポンド(約45.5兆円)
イタリア 250億ユーロ(約3兆円)
ドイツ 7,500億ユーロ(約90兆円)
日本  108兆円

では、新型コロナウイルスによる景気低迷で、個人や企業に対して具体的にどのような支援がされるのか細かく見てみよう。

家計に対する救済措置:(予算規模 5000億ドル)

現金給付は大人1人につき最大1200ドル(約13万円)、17歳未満の子供には500ドル(約5万5000円)が支給される。個人の場合、年収7万5000ドル(約810万円)までが満額の1200ドルを受給できるが、そこから段階的に金額が減り、年収が9万9000ドル(1060万円)を超えるともらえない。また、子供なしの共働き家庭の場合、年収15万ドルまでが満額(2400ドル)で、19万8000ドルを超えるともらえない設定となっている。

中小企業に対する救済措置:(予算規模 3500億ドル)

休業を余儀なくされた店舗が並ぶ
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中小企業に対する支援も手厚いものとなっている。

目玉はアメリカ政府が3500億ドル(約40兆円)を投じたPaycheck Protection Program (通称PPP) と呼ばれる中小企業救済策だ。

従業員の給与,賃料,保険,公共料金等の支払のために一事業者あたり最大1,000万ドルのローンを提供している。中小企業が事業と雇用を維持すれば、年1%の利払いだけで元本の返済が必要ない融資を2年間受けることができる。企業が支払う給与などを事実上、政府が肩代わりするシステムで、融資の形をとった実質的な補償措置だ。従業員数500名以下の企業や,個人事業主・自営業者、宿泊・外食サービス業で一か所あたりの従業員数が500名未満の企業等が対象となる

各州の取り組み 

ニューヨーク州のクオモ知事

各州でも独自の対応をしている。
ニューヨーク州は、失業対策として連邦政府の毎週600ドルの補助に上乗せする形で週600ドルを失業者に支給する。また、カリフォルニア州では連邦政府の補償を得られない滞在許可証を持たない移民、約15万人に対しても1人当たり500ドルの現金支給を行うことを決定した。

人影まばらなニューヨーク・マンハッタン

トランプ大統領の名前入り小切手で有権者に"恩"を売る?

連邦政府が個人に支給する救済金は、実に1億2000万人以上が受け取ることになる。 

支給方法は銀行口座への振り込み形式で行われる他、口座情報が無い低所得者など約7000万人には小切手が郵送されることになっている。多くの人が手にすることになるこの小切手だが、そこにトランプ大統領の名前が印刷されていることが15日明らかになった。

自身の名前入り小切手配布を決めたトランプ大統領

トランプ大統領は記者会見で「私の名前が印刷された素晴らしい小切手を国民は喜んで受け取るだろう」と得意げに話した。11月の大統領選で再選に有利と思えば“使えるものは何でも使う”、そんなしたたかなトランプ大統領の思惑がのぞく。ただ、財務省が発行する小切手に大統領の名前が入れられるのは歴史的にも前例がなく、名前印刷のため発送が予定より数日遅れる可能性も指摘されている。

【執筆:FNNワシントン支局 ダッチャー・藤田水美】