氷の神様が祀られる奈良市の氷室神社。
ここには、春の訪れを告げるため、どこよりも早く咲き始める桜がある。

この氷室神社に咲く枝垂れ桜は全て、ある一本の親木から生まれた。

樹齢100年を超える、枝垂桜である。

全盛期は、現在の5倍ほど大きく屋根より高く枝を広げ、立派な枝垂桜だった。

「エドヒガン」という品種で、氷室神社の桜は、奈良市内で一番に花を咲かすことから、「奈良の一番桜」と呼ばれ親しまれてきた。

しかし…数年前、桜に危機が襲った。

権禰宜・大宮守雅さん:
最初上の方から枯れていったんですけども、顕著になりはじめたのが、平成26年くらいからですね、そこから、台風であったり、大雨であったり、今の姿になったのが3年前の台風21号で大風うけまして、その時にだいぶ枝を落としてしまったんですけども

昔の姿を知る地元の人:
さみしいね、すごく小さくなってるからビックリした

昔の姿を知る地元の人:
今の姿はかわいそうに、ちょろちょろしかないやんか。なんか物足らん感じ

その後、氷室神社では、土壌の改良や、若木を使った、枝のバイパス手術など、様々な治療を行ったが、枝垂れ桜の木にはあわず、枝数は年々、減少していった。

権禰宜・大宮守雅さん:
今のところは、桜の思うがままと言いますか、咲いてもらうだけ、咲いてもらう、治療と言うよりは次の世代に、桜の遺伝子、花を残していこうとという方向に今シフトしています

3月はじめ、「子桜」の幼木が隣に植えられました。

桜を見に来た女性:
ちょっと寂しいですけど、でもやっぱりわずかに残ってる。分が咲いてくれるのが嬉しいですね、頑張って咲いてくれてるので。やっぱり応援したいなって思いますし、若い木も隣の方にだんだん元気になってきてるので、そちらも楽しみです

権禰宜・大宮守雅さん:
幼木は来年くらいに咲くんじゃないですかね。大きくなってくるのはね、10年、20年先かなっておもいますけど、命あるものいつかは終わりがありますので、こういう風に若い桜がどんどん、見守るように咲いてくれてるので、若い桜、この神社の行く末も、見届けてくれたらなと。みなさん心待ちにされてる桜なので、なんとか桜の遺伝子を残していけるように、努められたらなって考えています

多くの人に愛され続ける「奈良の一番桜」。

今年も静かに花を咲かせ、春の訪れを知らせている。

(関西テレビ)