コロナでテレワーク増え 「サポート詐欺」も増加
「あなたのPCはウイルスに感染している」こんな表示がPC画面に出て、さらに操作不能になった時、画面にあらわれるのが、あなたを助けるとするサポートセンターの連絡先。「よかったこれで直る」と思って電話しようと考えたあなたは、もう詐欺グループの手のひらで踊らされているかもしれない・・・。
この記事の画像(8枚)コンピューターウイルスへの感染を表示し、不安をあおり、修理代金などをだまし取ろうとする「サポート詐欺」。新型コロナウイルスの感染拡大で、テレワーク中にパソコンを使う人が増えた影響なのか、この詐欺被害が急増。
セキュリティー企業のトレンドマイクロによると、今年確認された「サポート詐欺」を含む不正なサイトは、21年7月から9月の間で1000万件以上と、去年のはじめ頃の3倍以上となっている。実際に「サポート詐欺」に遭った都内在住の80代の男性が、私たちのインタビューに応じ、被害の詳細を語った。
最初は自動音声 そして現れた謎の男”マイク”
被害にあった男性:連絡してくださいみたいな表示がでたので、電話しちゃった。そこが大間違いだった。
男性は自宅で突然パソコンが動かなくなり、画面に表示された偽のサポートセンターに慌てて電話したという。
被害にあった男性:電話して最初、正式な女性の声ででてきてマイクロソフトだとマイクロソフトであればそういうことやってくれるかもと。逆なんですね。
最初は、正規のサポートセンターなどにもよくある自動音声での案内があり、被害者の男性は、本当に修理してくれるところだと“錯覚”してしまった。自動音声の後には、片言の日本語を話す男が現れる。
その名も、マイクロソフトの「マイク」。そして、さらに信用度を高める仕掛けが登場する。名乗るだけではなく、マイクロソフトのロゴに、顔写真入りの偽IDを画面に表示させてきたのだ。次に「マイク」を名乗る人物は、男性に修理代金などについて説明を始めた。
被害にあった男性:ウイルスをスキャンして除去するには2万円かかりますと、5年保証なら4万円、7年保証なら4万5000円
そして入金の方法も指定してくる。
被害にあった男性:コンビニのネットキャッシュというのがあるから2万円買いなさいと。PCにはID番号を入力するようなポップが出てきている。
「入力は無効」と言い張る”マイク” そして20万円をだまされた
男性は指示を受け、近くのコンビニに向かい購入。IDを入力してしまった。しかし詐欺はこれで終わりではない。
被害にあった男性:あなたのやつは入力がまちがっている全てが無効になっている。
それが向こうの手だった。何度購入しても、何度入力しても「マイク」は無効だと言い張るのだ。最終的に男性はコンビニに5回行き、合わせて20万をだまし取られた。男性はこの時のことをこう振り返った。
被害にあった男性:自分自身の情けなさですね、憎らしいけどもあのていどのやつあにだまされたというのが情けない
冷静になって、電源を切ればよかったとも話していた。その姿は悔しさがにじみ出ていた。また男性の娘もこの時を振り返っている。
被害男性の娘:普段はいろんな人が家に出入りしているが、母も一瞬外出して、私も仕事をしていて一瞬、父が一人になっている時間があった。母が帰宅して怪しいとすぐ連絡してくれたので気づけた。家族間のコミュニケーションは非常に重要だと思う
個人情報が流出も 警視庁が注意喚起
サポート詐欺では、金をだまし取られる他に、遠隔操作によって様々な個人情報を抜き取られる恐れもある。詐欺被害にあわないために、ブラウザで広告を表示しない設定にするなどの対策もある。
また、警視庁は、警告画面は無視して再起動をするなどの対応をとり、画面に表示された番号に連絡しないように呼びかけている。
(フジテレビ社会部・警視庁担当 山口祥輝)