歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門さんが亡くなった。77歳だった。
歌舞伎界から松本白鸚さん、松本幸四郎さん、尾上菊五郎さんがコメントを発表した。

別れは何時の刻も悲しいものです。
今、とても悲しいです。
たった一人の弟ですから。
幼い頃、波野の家に養子となり、祖父の芸を一生かけて成し遂げました。
病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。
播磨屋の祖父そっくりでした。
松本白鸚

叔父のお顔を見た時、初めて涙が溢れてきました。
80歳で「勧進帳」の弁慶を勤める。必ず復活されてご自身の目標に向かわれる日が来ると信じていましたので、訃報を聞いてすぐにはこの事実を受け入れられる自分ではありませんでした。叔父は先人を敬い、その芸を体現し、芸術である歌舞伎を進化されてこられました。
叔父の芸を永遠のものにするために、教えていただいた我々がその情熱を心に刻み舞台を勤めて参ります。
いずれも様には、叔父をご愛願くださり心より御礼申し上げます。
松本幸四郎

長い役者人生を全身全霊で頑張られました。
再び、一緒に舞台に立てることを願っていましたので残念でなりません。
これまで幾度も同じ舞台に立ちましたが、菊之助の結婚を機に、縁あって親戚となり、孫の丑之助も生まれ、初お目見得や初舞台では共に孫の成長を喜び合いました。平成最後の舞台では『鈴ヶ森』で私が白井権八、播磨屋さんが幡随院長兵衛を勤めたのも深く印象に残っています。
本当にお疲れ様でした。
尾上菊五郎
 

中村吉右衛門さんは、2021年3月に東京都内のホテルで倒れ、心肺停止の状態で病院に運ばれた。その後、舞台への復帰を目指し、治療が続けられてきたが、11月28日に心不全のため息を引き取ったことがわかった。