2度目の打撃投手で初めて変化球解禁

高校最速163キロを誇る“令和の怪物”ことロッテ・佐々木朗希投手(18)が27日、ZOZOマリンスタジアムで2度目のフリー打撃に登板し、初めて変化球(スライダー、フォーク)を解禁した。

 

8時半過ぎにグラウンド入りした佐々木。先輩で守護神(クローザー)の益田直也投手から「今日もスピードガンで球速を測るのかな?風も弱いし(風速2メートル)投げやすいかもね」などと声を掛けられながら、ウォーミングアップを行う。9時過ぎからドラフト2位・佐藤都志也捕手(22)とキャッチボールを行った後、9時50分に2度目のマウンドへ。

2度目のマウンドへ・3月27日
2度目のマウンドへ・3月27日
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強い海風が名物のZOZOマリンスタジアム。24日の登板では風速10メートルだったが、この日は風速2メートルと穏やか。佐々木は「前より風は少なかった。思うように投げられるように工夫して投げたので、前より良くなったところが多かったと思います」と投げやすかった様子。

ストレートは最速156キロ…スライダーで空振りも 

佐藤がミットを構える中、2017年のドラフト1位・安田尚憲内野手(20)、2年目の山口航輝外野手(19)の左右の2人の打者に対し、8分間の投球を行った。

1人目の打者は安田。昨季はイースタンで本塁打と打点の2冠、3年目の飛躍が期待されるスラッガーへの初球は154キロのストレート。安田は捉えきれず、打撃ケージ内のファウルとなる。
5球目に123キロのフォークを投げるも、抜けてしまう。この日は制球がやや乱れたことと、ストライクとボールを投げ分けたため、安田は20球のうち8スイングだったが、安打性の打球は1本だった。

フォークも試す
フォークも試す

対戦した安田は「ストレートに強さを感じました。なかなか捉えることができなかった。特に高めのストレートに強さを感じました。インコース寄りのスライダーもスピードがあり、とても良かったです。対戦していて楽しかったです」と振り返った。

安田と山口、それぞれ20球の計40球を投じ、安打性の打球は計3本。40球のうち、スライダーは10球、フォークは4球。ストレートは40球目にこの日最速の156キロをマークした。

ストレートはこの日最速156キロ
ストレートはこの日最速156キロ

山口からは39球目に134キロのスライダーで空振りを奪うシーンもあった。
山口は「マジで見たことのない速さでした。怖さを感じました。ヤバかったです。変化球は来ると分かっている状態なので、ある程度対応することができましたけど、分かっていない状態だとスライダーを中心に振ってしまうと思います」と驚いた。

スライダーで空振りも
スライダーで空振りも

佐々木は「良いボールも、悪いボールもありました。前よりリラックスして投げられたと思いますが、もっといいボールが投げられると思うので、経験を積んでレベルアップしていきたいです」と自己評価した。

フォークボールが抜けてしまったことについては、「抜けてしまうボールも多かったので、対戦を重ねてこれから修正していきたいです。スライダーはしっかりストライクゾーンに投げる球と、ボールになる球を投げ分けられたと思います。フォークはコントロールするのが難しいので、いいところに落ちせるようにしたいです。今度(シート打撃)は球種を伝えないので、打者の反応が実戦的に見られると思います」と今後を見据えた。

監督・コーチから見た変化球

前回続きフリー打撃登板を視察した井口資仁監督(45)は「フォークは抜ける球が多かったですが、スライダーはいいところに来ていました。あまり膨らみがない、打者の近いところで曲がるキレのあるスライダーでした。球種が分かっていても打者が手を出せない時もありました。(ストレートもスライダーもフォークも)全部厄介ですね。ここまで順調に来ていますし、来週のシート打撃で打者がどんな反応をするか見てみたいですね。自分は打席に立ちたくても立てないので(笑)」と期待を寄せた。

井口資仁監督・3月27日
井口資仁監督・3月27日

吉井理人投手コーチ(54)は「変化球でそこそこストライクを投げられていましたし、自分が18歳の頃と比べると、相変わらず上手いなと思いました。変化球はブルペンで投げている時の方が、打者が立っていない分、自分のバランスで投げられるんですけど、打者が立つとよりいいところに投げようとするので、フォークボールが抜けてましたね。その点では普通の高校生だなと思いました。体も強くなってきていますし、スケジュール通りに順調に投げられています」と目を細めた。

吉井理人投手コーチ・3月27日
吉井理人投手コーチ・3月27日

阪神の藤浪晋太郎投手(25)ら新型コロナウイルスの感染拡大を受け、球団は28日からの1軍全体練習を中止、31日から練習を再開すると発表した。「気持ちを切らさないようにしたい。これ以上感染が拡大しないように自分も気を付けていきたい」と佐々木。練習再開後の4月3日に実戦形式のシート打撃に登板する予定だ。

佐々木朗希・3月27日
佐々木朗希・3月27日

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。