“標準濃度の洗剤で10分間浸漬”…花王が「布マスク」の洗い方を指南

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの全国的な品薄が続く状況の中、洗うことで繰り返し使用できる、いわゆる「布マスク」に注目が集まっている。

日常的に使う機会の多い「使い捨て(不織布)マスク」について、マスクメーカーが「使い捨てを大前提として製造しているため、推奨できない」としていることも、その一因だろう。
(関連記事:マスクを消毒したら“再利用”できるって本当? 実際はどうなのかマスクメーカー2社に聞いた

非常事態宣言が2月28日に出された北海道のある手芸店では、ガーゼやゴム紐といった「布マスク」の材料が品切れとなったほか、佐賀や長崎ではマスクを手作りする講座が開かれるなどの動きとなっている。

そのような中、花王の洗濯用洗剤「アタック」の公式Twitterアカウント(@kao_attackjp)が3月5日、屋外で使用した「布マスク」の洗い方を解説するツイートを投稿し、話題となっているのだ。



公式Twitterアカウントでは、次のような手順での洗浄を紹介している。

1. 標準濃度の洗剤で10分間浸漬

2. 塩素系漂白剤のキャップ7分目(15mL)を水1Lに溶かした液にマスクを10分浸漬

3. 水道水を用い十分にすすぐ

4. 清潔なタオルに挟んで水分を吸い取る

5. 形を整えて干す

こうした処置は、「翌日の使用に備えて、マスクに付着したウイルスを不活化」させるために行うものだそう。なお花王も、「使い捨てマスク」については、ウイルスを防ぐ機能が低下するため、再利用は基本的に勧めない」としている。

さらに詳しい、マスクを洗う際の注意点については、同社の「衛生科学情報〈特設サイト〉」に記載されている。

それは、炊事用手袋を着用するほか、「複数のマスクを一度に洗わない」「洗濯液の飛沫に接触しないように密閉できる容器で処理する」「洗剤液にはウイルスが含まれている可能性があるため、1L当たりの15mLの塩素性漂白剤を加え、10分放置した後に捨てる」「マスクを洗濯した後は、十分に手を洗う」といった、衛生面に関する注意事項だ。


このように「布マスク」への関心が高まる一方で、その洗い方についてはあまり知られていないようで、ツイートには「布マスクを洗いながら使おうと思っていたところなので詳しい洗い方を教えてもらえて嬉しいです」「勉強になりました」と、感謝の言葉が多数寄せられた。

「布マスク」のユーザーには大変ありがたいツイートであるが、実は「衛生科学情報」のこのページは以前からあった。改めてこのタイミングで洗い方を投稿した理由は何だろうか? 花王の公式Twitterアカウントの運用担当者に話を聞いた。

洗い方のポイントを知らない方も多いと想像しツイート

ーー今回のツイートを投稿した理由を教えて。

昨今マスクが不足していることはニュースでも取り上げられており、また繰り返し使える布マスクを使用している方も増えているかと思います。ただ、布マスクの洗い方に関してもポイントがあるということは意外に知らない方も多いのではないかと想像し、少しでもお役に立てばと思い発信しました。

また「漂白剤」と一言でいっても、酸素系、塩素系、さらには衣料用やキッチン用など用途別に様々な製品があり、この辺りを含めて情報を整理し、お伝えできればと思い発信致しました次第です。なお、今回布マスクの洗い方で紹介している漂白剤は、塩素系の衣料用漂白剤です。

ーー 洗剤や塩素系漂白剤が手に入らない場合、代わりに推奨できるものなどある?

現在、店頭でも、特に塩素系漂白剤などは、手に入りにくい状況のところもあるかもしれませんが、花王として推奨できる代替品はございません。申し訳ございません。

ーー複数のマスクを一度に洗うことが奨励されないのなぜ?

花王としては、症状の出ていない人を含めた感染者のマスクを一緒に洗うことによる、感染リスクを低減するため、複数のマスクを一度に洗うことは推奨しておりません。

お役に立ったというお声は喜ばしいです

ーーこのツイートは反響を呼び、感謝のメッセージが届いているが、どう感じる?

お役に立ったというお声は喜ばしいです。

できればしっかりとツイートに貼ってあるリンク先の情報などもこんな時だからこそしっかりと読み込んでいただき、ご自身の状況と照らし合わせて情報を有効に活用いただければと思います。

ーー最後にマスクの利用者にメッセージを。

使い捨てマスクをご利用の方、繰り返し洗えるマスクをご利用の方、そしてマスクが手元に無い方、各々置かれているマスク事情は異なるかと思います。どのようにすれば皆さんの衛生が守れるのかを各々把握し、対策を行って欲しいと思います。また何よりもこの状況が少しでも早く回復することを願っています。


なお、担当者によると、今回紹介したのはあくまで木綿(ガーゼ)素材を想定した“布”マスクの洗い方とのことだ。また、洗剤や塩素系漂白剤が、新型コロナウイルス対策に有効であるということは確認できていないそう。

厚労省の「新型コロナウイルスに関するQ&A」によると、手などの皮膚の消毒を行う場合には消毒用アルコール(70%)、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることは分かっている。

この点にも留意して、布マスクの衛生管理に努めてほしい。

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