「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する“アマビエ”の言い伝えとは

新型コロナウイルスの早期終息が望まれる中、鳥取・境港市の“水木しげるロード”が脚光を浴びている。

「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場するある妖怪に願いを託そうと、各地から“妖怪詣”となっている。

鳥取県境港市の水木しげるロードは、多くの観光客でにぎわいを見せている。その秘密が水木しげる記念館にある。

 

水木しげる記念館の館内では、あるパネルを写真に収める人の姿が。

うろこのある体に長い髪、くちばしのような口。この妖怪は、江戸時代から日本に伝わる「アマビエ」。

 

漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の中で、水木しげるさんも描いていた。

なぜ今、多くの人がこの妖怪に注目するのだろうか?

水木しげる記念館・庄司行男館長:
「疫病がはやったときには、わたしの絵を描いてみんなに見せれば、疫病が収まる」という言い伝えがある

 

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、神頼みならぬ“妖怪頼み”として話題になっている。

“アマビエ”のパネル設置で驚きのにぎわいに!?

館内には、妖怪アマビエのパネルを2カ所に設置。うち1つは、今回の反響を受けて19日に設置したばかり。

 

来館者:
SNSでみんなに拡散したい

水木しげる記念館では、2020年3月の来館者数が2019年の同じ時期に比べて3割減っているが、3連休初日のにぎわいは驚きだという。

 

水木しげる記念館・庄司行男館長:
問い合わせは先週からすごく増えている。アマビエの影響が大きいと思う

県の内外から訪れる観光客にしっかりと予防策も取ってもらいながら、春休みの人出に期待をかけている。

終息願い“アマビエだるま”製作も

その妖怪「アマビエ」で、だるまの商品も。鳥のくちばしのような口に、水色のうろこ、3本あるとされる足も。丸みを帯びたそのフォルムに、癒やしを感じる。

 

作っているのは、島根県松江市のだるま職人・堀江努さん。

 

堀江さんは普段、風水を取り入れたさまざまな色の「縁結びリボンだるま」などを製作。県内の土産物店に卸しているほか、インターネットでも販売している。

 

堀江努さん:
今新型コロナがはやっている中で、何かできることはないかというので思いついたのが、このだるまに「アマビエ」を描くということでした

終息を願って作り始めたのが、「アマビエだるま」だった。1個1200円(税別)でネット販売を始めると、全国から注文が入り、早速、20個ほどが売れたという。

 

中には、県外の病院や大学の薬学部などからも。切実ともいえる願いが伝わってくる。

堀江努さん:
だるま屋にできることは、願い込めて皆さんに届けるということだけなので…

現在は、さらに約20個の注文を受け製作中で、注文は順調に入っているが。

堀江努さん:
(アマビエだるまが)たくさん出るということは、いいことなのか、悪いことなのか…そういう思いもありますけど、これで皆さんの気持ちが少しでも穏やかになればいいかなと思いますし、いろいろな病気があるので、それにも使っていただけたらいいなと思います

 

複雑な思いを抱きつつ、終息の願いを込めて。このアマビエだるまは、現在はネットでのみ販売されている。

(山陰中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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