クルーズ船で新たに65人感染

横浜港に続々と到着する救急車。2月10日、新たに65人の新型コロナウイルスの感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の周辺では物々しい雰囲気に包まれた。

感染者は先週から次々と増え、これで合わせて135人。フランスメディアはクルーズ船を「浮かぶ監獄」と名付け報じるなど、海外も大きく関心を集める事態となっている。

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こうした中、取材班が向かったのは東京・足立区のスーパー。晩御飯の買い物客で賑わう店内をよく見ると、肉を買う人も野菜を買う人もレジに並ぶ人も多くの人がマスク姿。

そして、選ぶ食材にも変化が見られた。買い物に訪れた50代の女性は「栄養のあるもの。免疫が上がるものを選んでいます」と語ったほか、30代の女性は「体を温めてもらうために味噌汁にしようと思います」などと新型コロナウイルスへの予防策を話した。

香港政府「同じ鍋料理を食べた親族9人が感染」と発表

そんな中、今波紋を広げているのが、冬の食卓に欠かせない鍋に関するニュースだ。

香港で「同じ鍋料理を食べた親族9人が新型コロナウイルスに感染した」と香港政府が発表したのだ。

中国では親しい人に対してや、おもてなしの際には“直箸”で取り分ける風習があるという鍋。

このニュースは海外でも報道され、“食事を通じ感染を起こす引き可能性”が指摘されている。

これには「鍋自体に何かあったのですか?」(70代女性)、「鍋をみんなでつつく、共有するのはちょっと怖いと思います」(40代女性)などと街でも不安の声が上がったが、「本当に鍋を一緒に食べるだけで感染は起きるのか?」を専門家に取材した。

池袋大谷クリニック・大谷義夫院長:
新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染が中心と考えられていて、(食物を通して)経口感染はしないと考えられていますから、直箸は関係ないです。

鍋を通じた感染は起きない」という専門家の答えだった。

実はインフルエンザもくしゃみなどから感染することはあっても、食べ物からの感染はないとされており、この点は同じだという。今回の“鍋感染”のような情報はネット上にあふれている。

WHOが“デマ防止サイト”で疑問を解説

そんな中、WHO世界保健機関は“デマ防止サイト”を開設。10項目の疑問に1問1答形式で答えている。

疑問:「ゴマ油を体に塗ればウイルスの侵入を防げますか?」
答え:「×」
「ゴマ油は新型コロナウイルスを殺しません」

疑問:「ニンニクを食べることは感染予防になりますか?」
答え:「×」
「ニンニクは抗菌特性を持つが、食べることで新型コロナウイルスから守られたという証拠はない」

専門家は「デマに惑わされず、正しい恐れ方を知ることが大切だ」と指摘している。

(Live News it! 2月10日放送分より)