イランのミサイル攻撃の影響 すでに日本にも…

「気をつけろ!気をつけろ!」

日本時間の1月8日朝決行された、イラン革命防衛隊によるとみられるミサイル攻撃の映像。
閃光とともに爆音が鳴り響いた。

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この報復作戦の名前は、米軍に殺害された司令官の名を取って「殉教者ソレイマニ」。

これはミサイルの破片とみられる写真。着弾した直後なのか、2つに割れたミサイルから白煙が上がっている。

イランは8日、弾道ミサイル10発以上を発射し、イラクにある米軍基地を攻撃。イラク政府はミサイルは22発だったとしている。

その衝撃は日本にも…

フジテレビ 奥山未季子記者:
東京市場は全面安の展開となっていて、株価の下落を示す緑色の表示が並んでいます。

リスクを回避しようとする動きは他にも。

比較的安全な資産といわれる金の価格が高騰している。
金の小売り最大手の田中貴金属によると、8日の小売価格は6149円/g。1980年以来およそ40年ぶりの高値に。今回の攻撃も、9日以降の価格に反映されそうだ。

ゴールドプラザ 川崎拓鑑定士:
金という物質自体が“有事の金”と呼ばれているほど、世界情勢が悪くなったときに価格が上がるような物質になります。
一連のこの事態に対して、この1カ月以内で6500円/gぐらいまでいく可能性はあります。

そして私たちの生活に身近なガソリン価格。
中東産の原油の先物価格は高騰が続いていて、8日東京商品取引所では7カ月ぶりの高値水準に。
8日発表された、6日時点のレギュラーガソリンの店頭小売価格は1リットルあたり150円10銭。
石油情報センターによると、今回の価格にはまだイランの報復攻撃などは反映されていないため、来週はさらに値上がりするものとみられている。

「アメリカに平手打ち」

世界を揺るがす中東情勢。
海外の軍事メディアは、今回のミサイルがイランが独自開発した射程200kmから300kmの短距離弾道ミサイルFateh110などと伝えている。

イランの最高指導者 ハメネイ師:
これは不平等だ。アメリカは嘘つきだ。
アメリカに平手打ちをしてやった

イランの聴衆:
アメリカに死を!アメリカに死を!

ソレイマニ司令官の葬儀翌日という、イラン側のスピード報復に専門家は…

国際開発センター 畑中美樹研究顧問:
報復を期待する声が大変多かったですから、何か反撃をしないと逆に失望を生んで批判をされかねませんから。
このタイミングでやらざるを得なかったというところがあると思います。

現時点では戦争を求めていないとするイラン側、一方のトランプ大統領はツイッターで

トランプ大統領;(ツイッター)
何も問題ない。
我々は他の国々よりも圧倒的に強力で十分に装備された軍隊を持っている!

と強気の姿勢をアピールしている。
米メディアは、インド洋ディエゴガルシア島の米軍基地に射程1000kmの巡航ミサイルを搭載可能な爆撃機B-52Hが展開中だと伝えている。

基地攻撃のウラにあるイランの思惑

加藤綾子キャスター:
今回イラクにある米軍基地2カ所が攻撃されたわけなんですけれども、なぜイラクはこの基地を攻撃したんだと思いますか?

風間晋解説委員:
イランがイラクの駐留米軍の基地を対象にしたのは、軍に絞ることで国際世論の反発を避けたという面があると思います。
ミサイルも10発程度でしたし。「これは報復だ」と、内外には喧伝できるんですけれども、実は抑制的にやったということじゃないでしょうか。

加藤綾子キャスター:
10発というのは少ないと捉えていいんでしょうか?

風間晋解説委員:
少ないと思います。
今度はトランプ大統領は反撃攻撃せざるを得ない事情はあるとは思うのですが、多分52カ所すべてというのはないんですよ。
そうすると、それがトランプからイラクへのメッセージになる。

(Live News it! 1月8日放送分より)