真夜中に助け求めた少女を“門前払い”

子供を守る“最後の砦”とも言われる児童相談所が、少女のSOSを“門前払い”していたことが分かった。

街の声(女性A);
追い返すっていうのは、やっぱりちょっと考えられないかな

街の声(女性B);
児童相談所だったら、そこがやっぱり一番駆け込めるところであってほしい

2月10日、神戸市の児童相談所「こども家庭センター」を、一人で訪れた小学6年生の女の子。
時刻は午前3時半ごろ。真夜中の出来事だった。

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女の子は、夜間用のインターホンを押して助けを求めた。
この時、当直として対応したのは、市から夜間の窓口業務を請け負っていたNPO法人の男性職員。

家を追い出された女の子は、2度にわたりインターホンを押したという。
その女の子からのSOSに対し、男性職員はこう言い放った。

警察に相談してください

女の子を追い返したというのだ。
本来であれば、その場で市の正規職員に連絡をし、対応を協議する決まりになっていた。

神戸市家庭支援課 吉井良英課長;
この職員は、女児が高めの年齢だったというようなことを言ってますが、「警察で相談して」という形をとってしまったと

男性職員は、「女の子の年齢が高く見えた。深刻な事態だとは思わなかった」と話していると言う。

神戸市家庭支援課 吉井良英課長;
年齢を問わず対応するということが、「こども家庭センター」の対応になりますので、そこは非常に不適切な対応であったと考えています

女児はひとり夜道を…

一方、追い返された女の子は交番を探し、ほぼ人通りのない夜道を歩いたとみられる。
そして、約350mほど離れたところにある交番に向かい、保護されたという。

その後、警察からの連絡を受けた「こども家庭センター」に保護された。

専門家は、今回の問題を次のように指摘する。

心理カウンセラー 山脇由貴子氏(児童相談所に19年間勤務);
ありえない対応だと思う。
子供がそんな夜中に助けを求めてやって来たら、それは緊急性があるに決まっている。
委託されているNPO法人の職員と言えども、児童相談所の職員として働いているわけですから、職員の専門性の低さという問題が出ていると思います

今回の問題は、“24時間体制の構築”や“専門性の高い職員養成”など、児童相談所が抱える課題を改めて浮き彫りにしている。

(Live News it! 2月19日放送分より)