2歳から卓球を始め、すでにU-13日本代表として国際大会を制した中学1年生がいる。富山出身の柴田優星さん。今春から親元を離れ、神奈川県の「木下卓球アカデミー」に所属し、世界ランキング1位を輩出したエリートクラブで日々鍛錬を積んでいる。その目標はただひとつ——「オリンピックで金メダルを取ること」だ。

世界ランク1位も輩出した「エリートクラブ」へ

神奈川県にある木下卓球アカデミーは、全国から選りすぐりの選手が集まる卓球のエリートクラブだ。国際舞台で活躍するトップアスリートを目指す小中高生を育成しており、アジア大会や世界大会で優勝し、現在世界ランキング1位の松島輝空選手もこのアカデミーの出身である。

そのアカデミーに今年の春、富山から中学生が飛び込んできた。柴田優星さん、中学1年生。中学進学を機に親元を離れ、これまでしのぎを削ってきたライバルたちとともに1ランク上を目指して練習に励んでいる。

「強い選手と一緒に練習できるのが楽しい」と優星さんは笑顔で話す。高いレベルの環境に身を置くことへの純粋な喜びがにじんでいた。
2歳から始めた卓球、父の指導で才能を開花

優星さんが卓球を始めたのは2歳のころ。国体出場経験のある父・篤志さんの指導のもとで才能を磨き、昨年はU-13日本代表として国際大会に出場。シングルスで見事優勝を掴み取った。
アカデミーでの生活は卓球漬けだ。神奈川県の中学に通いながら、練習は学校が終わった夕方5時からスタートし、夕飯を挟んで午後9時ごろまで続く。休日は午前と午後の計6時間を卓球に費やす。

練習場には医療介護施設が併設されており、食事はその食堂で栄養バランスを考えたメニューが用意されている。食べ盛りの優星さんは好き嫌いもなく美味しそうに頬張り、一息ついたらすぐに練習場へ向かう。練習後の過ごし方を尋ねると、「お風呂入って、寝ます」と屈託なく答えた。

日本代表経験の監督がマンツーマンで指導
この日の夕食後の練習では、日本代表経験もある大森隆弘男子監督がマンツーマンで指導にあたった。
「距離感合わせろ。1番良いポジションで打てるように、足合わせて。曲がると思ってなくて曲がるからミスする。曲がると思って準備しろ」
大森監督の声が練習場に響く。一瞬の判断が勝敗を左右する卓球において、細部の意識が勝敗を分ける。

大森監督は優星さんの成長をこう評価する。「サーブとバックハンドのショットが強いと思う。入った頃よりもだいぶ体も大きくなっていて、1本1本のボールの威力はかなり増している」。一方で課題も明確だ。「バックハンドはもちろん強いけどフォアハンドは苦手なので、フォアハンドをメインに強化しているところ」と語る。
「フォアのミスが少なくなってきた」、次の目標は全日本選手権で2冠
指導の成果は着実に表れている。優星さん自身も「フォアハンドのミスが少なくなってきた」と手応えを感じており、次の目標として11月の全日本選手権カデット(中1・中2)の部でシングルス・ダブルス2冠を掲げている。
世界大会で立ちふさがる中国勢を破り、さらに高みを目指すために選んだ木下卓球アカデミーという道。その先に見据えるのは、憧れの先輩の背中だ。

「松島輝空選手が目標。オリンピックで金メダルを取ることです。ここで強くなってオリンピックで優勝できるようにがんばります」
その言葉に迷いはない。
兄弟でオリンピック出場も夢ではない
柴田優星さんは4兄弟の三男だ。次男も同じ木下卓球アカデミーに所属し、国際大会に出場するなど兄弟で切磋琢磨している。将来的には兄弟そろってオリンピックの舞台に立つ可能性もある。富山が生んだ卓球兄弟の挑戦から、今後も目が離せない。
(富山テレビ放送)

