平成以降初めて、3年連続で月1万円超えの引き上げ勧告だ。鹿児島県人事委員会は10月8日、県職員の給与を月平均1万1438円引き上げるよう塩田知事に勧告した。ボーナスも含めた引き上げ勧告は5年連続となり、県内の人材確保をめぐる動きが給与水準にも着実に反映されつつある。
民間企業との格差が背景に
今回の勧告は、県と国が実施した調査で、県内の民間企業に比べて県職員の給与が低いことが明らかになったことによるものだ。8日午後、県人事委員会の富永信一委員長が勧告書を塩田知事に手渡した。
ボーナスについても0.05月分の増額が求められており、給与・ボーナスともに引き上げ勧告がなされるのは5年連続となる。
直近10年で見えてきた「賃上げの加速」
この勧告の数字を過去と比べると、その変化の大きさがより際立つ。直近10年間の月平均引き上げ額を振り返ると、5年前までは数百円、あるいは引き上げなしという状況が続いていた。

ところが2023年には一気に3600円余りへと跳ね上がり、2024年には33年ぶりに引き上げ額が1万円を突破。2025年には1万3159円と平成以降最大の引き上げ額を記録し、今年2026年もその勢いを維持する形となった。
県人事委員会の尾原龍彦事務局長は「人材確保が必要ということで、民間企業でも取り組んでいて、しっかりした賃金水準を確保していこうという取り組みがされているのだろう。その一つが数値として出てきて、その結果、今回の人事委の勧告の数値となった」と語った。民間全体の賃上げの流れが、公務員の給与水準にも波及しているといえる。

約50億円増となる財政への影響
勧告の対象となる職員は2万1684人。勧告通りに引き上げが実施されれば、1年間の給与費用は約50億円増額することになる。
勧告を受けた塩田知事は「厳しい本県の財政事情を総合的に勘案し、慎重に対応したい」とコメントした。引き上げの必要性を認めつつも、財政面での課題を慎重に見極めながら対応していく姿勢を示した形だ。
県財政への影響は小さくないが、人材の流出を防ぎ、県民サービスの質を維持するためにも、給与水準の適正化は避けられない課題となっている。鹿児島県がこの勧告をどう受け止め、実際の給与改定にどうつなげていくか、今後の動向が注目される。
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