監督交代で再スタートを切ったいわきFC。平均年齢およそ24歳の若いチームを支えるのが、最年長38歳のキャプテン・永木亮太(ながきりょうた)選手だ。チームが取り戻しつつある“いわきらしさ”の裏側には、田坂和昭(たさかかずあき)監督が進める小さな変化がある。
■ 田坂監督が進める“原点+距離感の微調整”
練習取材では、田坂監督が「もう一回、スリータッチ!」と声を張り上げる姿があった。
6節から指揮を執り、低迷していたチームの立て直しを託された田坂監督。就任後は勝ち星を重ね、いわきのサッカーに再び勢いが戻りつつある。
監督が強調するのは「いわきのサッカーは変わらない」という原点。そして、選手の個性をより生かすための“距離感”の調整だ。
「今いる選手の個性を生かすときに、距離感を付け加えてあげると良さが出る選手もいます。それでいわきのサッカーを出しやすくしたいと思っています」
この“距離感”は実際の試合でも形となって表れた。FW2人が近い距離でボールを繋ぎ、最後は山中選手が中央で受けてフィニッシュ。選手同士の距離が縮まったことで、攻撃のテンポが生まれた。
■ 若いチームを支える最年長・永木亮太選手
いわきFCで唯一の30代、元日本代表の永木選手は、若い選手が多いチームの“道しるべ”として存在感を発揮している。
前節の札幌戦では、フリーキックを任されると直接ゴールネットを揺らし、いわきでの初ゴールを記録。経験に裏打ちされたプレーでチームを支えている。
永木選手自身も、田坂監督が進める“距離感の変化”を実感している。
「選手同士の距離が近くなったことで、攻撃のテンポが出てきた。監督がトレーニングで落とし込んでくれた部分が試合にも出ている」
■ 永木選手のルーティーン「右足からピッチに入る」
永木選手には、プロ16年目となる今も続けているルーティーンがある。
それは「必ず右足からピッチに入ること」。
理由は特になく、「右足から入らないと気持ち悪い」という感覚的なものだという。試合を見る際、選手それぞれのルーティーンに注目してみると、また違った楽しみ方ができる。
■ キャプテンが見据える“巻き返し”
監督交代という大きな変化があった今シーズン。永木選手は、この出来事を前向きに捉えている。
「まだ序盤なので、巻き返せるチャンスは十分あると思っています」
原点に立ち返りながら、選手同士の距離感に小さな変化を加えることで、いわきFCは再び勢いを取り戻しつつある。若いチームを支える最年長キャプテンとともに、ここからの巻き返しに期待が高まる。
