松山市駅前に新たな交流広場が誕生
芝生の上でレジャーシートを広げる家族に、ジャズの生演奏を聴きながらクラフトビールを楽しむ大人たち。
この秋、松山市駅前に新たな交流広場が誕生し、駅前の風景が大きく生まれ変わった。
1日約3万人が利用する県内最大のターミナルで、4年越しの再開発がついに完結した。
「総事業費34億円」2022年から着手
市内電車に郊外電車、そしてバスと一日約3万人が利用する県内最大のターミナル松山市駅。
その駅前がこの秋大きく生まれ変わった。
公共交通機関の乗り継ぎの利便性向上や市内中心部のにぎわい創出などを目指し、松山市は2022年から総事業費約34億円をかけて再開発に着手した。
車両は東西に通り抜けできなくなり、駅前の景色は一変。
2024年には市駅前広場の「東側」にバス乗り場を集約した。
また「西側」では去年、電停の移設が行われた。
鉄道ファンらに見守られながら、最後の電車が出発したあと一斉に切り替え作業が行われ、次の朝には無事新しい電停での運行が始まった。
78年ぶりに新しくなった電停は、これまでより15メートル市駅に近づき、郊外電車への乗り換えがスムーズにできるようになった。
そして旧電停があった場所に完成したのが、銀天街と花園町通りをつなぐ新たなにぎわいの拠点「交流広場」だ。

芝生に子どもの声、まさに『憩いの空間』
3日の土曜日は広場の完成を記念してイベントが開かれ、ステージでは地元の子どもたちによるダンスの発表や、和太鼓のパフォーマンスも披露された。
そしてマルシェとキッチンカー10店舗も出店。
爽やかな秋晴れの空の下、食事を楽しむ人の姿もあり、さっそく駅前は多くの人でにぎわった。
新しくなった市駅前の感想を聞くと…
「広々しているし、日当たりもいいし、とてもくつろげる」
「『芝生』とかも増えて、子供たちも連れてきやすい」
と、みなさん高評価。
この新たな広場のポイントの一つが約400平方メートルに渡って整備された、天然の「芝生」だ。
松山市都市整備部・林昌宏主幹は「憩いの空間として使っていただいて、レジャーシートを敷いて座ってもらったりしている」と語る。
まさに「憩いの空間」を目指して街中に誕生したオアシス。
食事を楽しむ人もいれば、こちらでは絵本の読み聞かせ!
みなさん、思い思いに過ごしているようだ。
来場者:
「気持ちいい。こうやって座れるのでありがたい」
「子供たちもすごく大喜びでのびのび過ごせそうで、またちょこちょこ利用したい」

「これからイベントとかで使ってもらいたい」
地元商店街の関係者も市駅前の活性化に期待している。
大正時代からここで名物「ひぎりやき」を販売する澤井善一郎さんも、「現在空きテナントが増えてきたところなので、この人出が集まることによって商売をしようという方が現れて、これからテナントも充実しておもしろい街になっていく」と話してくれた。

駅前に夜のにぎわいが広がる
日が暮れると、家族連れや子供たちでにぎわった広場は、また違った表情を見せ始める。
夜になり、明かりが灯り始めた松山市駅前広場。
ステージ上ではジャズの生演奏が披露されていて、ゆったり落ち着いた雰囲気だ。
生演奏を前に芝生の上で食事やお酒を楽しみながら、ゆったりとくつろぐ大人たちの姿が…
店も入れ替わり、クラフトビールの専門店やお酒とも相性バツグンな台湾水餃子の店も登場して、駅前には夜のにぎわいが広がる。
新しい市駅前で迎えるはじめての週末は一日を通して盛況となり、好調な滑り出しとなった。
松山市はこのにぎわいを駅周辺にとどまらず、まち全体へつなげていきたい考えだ。

「日切地蔵まつり」復活へ、まちの記憶をつなぐ
林さんは「ロープウェー街や道後温泉、花園町通り、その流れで市駅前広場、休日はイベントを開催してもらい、中心市街地の活性化につないでいきたい」と期待を込めた。
市では来月から活性化の新たな取り組みとして、毎月1回花園町通りで行っているイベント「お城下マルシェ」の開催エリアを、市駅前広場まで広げることにしている。
また地元商店街でつくるまちづくり実行委員会は、広場を活用した「あるイベント」の復活に向けて動き始めている。
「お日切さん」などと呼ばれ、親しまれる市駅前のシンボル・善勝寺を中心に行われていた夏の恒例行事「日切地蔵まつり」を来年8月に復活させたい考えだ。
松山市駅前広場賑わいまちづくり実行委員会の委員長も務める澤井善一郎さんは、「日切地蔵まつりを通して、みなさんが市駅前で小さい頃遊んだ思い出を大人になって、子どもに伝えられるようなまちになったら」とまつりの準備を進めている。
再開発の完了で新たな一歩を踏み出した松山市駅。
にぎわいをどのように広げるのか、そしてまちと人をどうつないでいくのか、注目だ。


