福井県内の魅力を再発見する小旅のコーナーは今回、150年以上続く越前海岸沿いの老舗しょうゆ蔵「岩尾醤油醸造元」を訪れました。もろみを混ぜたり、しょうゆを搾ったりといった体験を通して醤油づくりを学ぶことができます。
2年かけて熟成されるという、こだわりのしょうゆ。その奥深い味わいとは―
福井市の越前海岸沿いを北へ車を走らせると、昔ながらのしょうゆ造りを守り続けるしょうゆ蔵があります。
創業明治7年の「岩尾醤油醸造元」。代々受け継がれてきた商標を掲げるのれんをくぐり、中へ入っていくと―
迎えてくれたのは、6代目の岩尾英信さんです。
原渕由布奈アナウンサー:「すごいですね!しょうゆの芳醇(ほうじゅん)な香りが、辺り一面に立ち込めています!ここでいつも作業しているんですか?」
岩尾さん:「そうです。香りは全然分からない…もう慣れちゃって」
蔵の中には、長い年月を重ねてきた大きな杉桶が並びます。その中で、じっくり育てられているのがしょうゆの原料となる「もろみ」です。
一般的なもろみの熟成期間は半年ですが、こちらでは、自然の気候の中で2年かけ熟成。毎日、底からかき混ぜる作業は、なかなかの重労働です。
見学に訪れた人は、この作業も体験できます。
原渕アナ:「食欲をそそられますね」
岩尾さん:「これをキュウリに付けて食べるとね」
原渕アナ:「絶対おいしいやつ!」
このもろみを、約150年かけて蔵に棲みついた「蔵付きの酵母菌」によって発酵させ、唯一無二の深い味わいを醸し出していくのです。
そして、お待ちかねの、熟成されたもろみからしょうゆを手搾りする体験です。
機械で圧力をかけ一気に絞るのが通常ですが、熟成したもろみを布に包み人の手で少しずつ圧力をかけていきます。
じっくり搾り、火入れをしていない生のしょうゆを味わえるのが、この体験の醍醐味です。
原渕アナ:「おいしい!角が無くて、丸いというか、まろやかなおしょうゆ!」
岩尾さん:「寝かせれば寝かせるほど、塩の角がとれてきます」
2年熟成させることでまろやかな口当たりになり、手でじっくり搾ることで、さらに深い旨味が増すのだとか。
他にも、製造方法の違う4種類の醤油の味を比べながら、醤油への知識を深めていきます。
岩尾さん:「福井のしょうゆは少し甘めで、刺身に合う感じですね」
完成したしょうゆは、オリジナルのラベルを貼って持ち帰ることができます。
最後には、しょうゆの瓶詰め作業も体験。
全国的にしょうゆの消費が落ち込む中、岩尾さんは何とかしたいという思いで、5年前からしょうゆ蔵体験を始めました。
「昔は、しょうゆ屋さんって福井県で60軒くらいあった気がしますが、もう17、18軒くらいしかないので、絶やしたくない。何かやらないと。 来てもらって消費が増えてくれればいいなと思っています」
明治から令和へと150年以上受け継がれてきた、こだわりのしょうゆづくり。食欲の秋に、訪れてみてはいかがでしょうか。
【しょうゆ蔵体験】
1人2600円
(持ち帰れる“マイしょうゆ”と500円分のお買い物券付き)
