2018年に富山市で2人が殺害された奥田交番襲撃事件。強盗殺人などの罪に問われている島津慧大被告(30)の「差し戻し審」が、5日に富山地方裁判所で始まった。開廷前には一般傍聴席30席をめぐって278人が裁判所前に並ぶほど注目を集めているが、島津被告は冒頭の人定質問にも罪状認否にも一切答えず、終始黙秘している。

事件の経緯 警官を殺害後に奪った拳銃で警備員を射殺

島津被告は2018年6月、富山市の奥田交番を襲撃し、交番所長だった稲泉健一警部補(当時46)を刃物で殺害。その後、奪った拳銃で奥田小学校近くで警備をしていた中村信一さん(当時68)を射殺したとされている。
2021年の1審で富山地裁は「殺人罪」と「窃盗罪」の成立にとどまるとして無期懲役の判決を言い渡した。しかし2審の名古屋高等裁判所金沢支部は、判決に「事実誤認がある」として裁判のやり直しを命じていた。
5年半ぶりの公の場、黒スーツ姿で車いす入廷

およそ5年半ぶりに公の場に姿を見せた島津被告は、黒色のスーツに黒色のメガネ、5年前と同じく車いすで入廷した。白髪交じりの短髪で、ひげはもみあげまでつながるほど伸びていた。
裁判長から名前・生年月日・住所などを問われても言葉を一切発せず、どこか一点を見つめている様子だった。罪状認否においても同様に黙秘を貫いた。
差し戻し審の争点は
今回の差し戻し審は、「強盗殺人罪」の成立を前提に量刑について改めて審理するものだ。検察側は一審と同じく「強盗殺人罪が成立する」と主張する一方、弁護側も一審と同様に「殺人罪」と「窃盗罪」にとどまると主張している。
裁判の大きな注目点の一つが、島津被告の発達障害・自閉スペクトラム症が事件にどの程度影響したかを裁判所がどう判断するかだ。裁判員裁判として進められるこの差し戻し審は、午後からも審理が続く。
(富山テレビ放送)

